文化の力で和歌山を盛り上げようと活動している「紀州文化の会」は、さまざまな角度から和歌山の魅力を紹介する書籍「あがらの和歌山」シリーズの第11弾『紀州の女性』を3月11日に発刊する。多様な分野で活躍する和歌山ゆかりの女性200人が登場し、同会の大江寛代表(69)は「女性が変われば地域は変わると思っている。こんなに活躍している女性がいるんだと知ってもらえたら」と話している。
同会は平成16年に発足し、現在の会員は8人。19年から「あがらの和歌山」シリーズを毎年刊行し、今回で11冊目、同会の出版物としては13冊目となる。
今回のテーマ「紀州の女性」は、男女共同参画の実現が社会の大きな課題となる中、県内のさまざまな分野で多くの女性が活躍していることを知ってもらい、女性の活躍推進につなげようと、大江代表の強い希望を受けて決まった。
刊行に向けた企画には約1年前から着手。当初は紹介する女性の数を108人としていたが、多くの女性が取材の依頼に快く応じ、推薦の声も増えたため、200人となった。
編集にあたっては、会員以外の女性にも参加してもらうことで、視点の多様化を図ったという。
登場するのは「和歌山生まれで和歌山育ち」「和歌山生まれで現在は県外で活躍」「県外出身で現在は和歌山で活躍」のいずれかに当てはまる女性で、年齢層は16歳から80代まで、各地域から幅広く選ばれている。
活躍の場も全国区から地元までさまざま。「残酷な天使のテーゼ」などで知られる和歌山市出身の作詞家・及川眠子さんや、龍神村出身で東京医療保健大学副学長の坂本すがさんをはじめ、まちおこし、農業、芸術、スポーツ、グルメ、企業経営、報道など多彩な分野、職業の女性が集まっており、わかやま新報記者も登場している。
1人につき2㌻を使い、プロフィル写真1枚の他にスナップ写真2~3枚を掲載。「仕事を始めたきっかけ」「仕事をしていて良かったこと・うれしかったこと」「今後の抱負」などを尋ね、全部で約460㌻のボリュームとなった。
母子家庭で育ったという大江代表は、県内の女性を取り巻く環境について「頑張っている女性は多いが、特に公的な分野で活躍している女性が大都市や他府県と比べて少ないと感じている」と話す。今回の書籍について「多くの女性に快く取材に協力していただき、ありがたい。県内外を問わず、多くの方に手に取ってもらいたい」と呼び掛けている。
3月11日から県内主要書店で2000部を発売。定価2480円(税込み)。同日には和歌山市のホテルアバローム紀の国で出版記念パーティーを開く。
問い合わせは大江さん(℡090・1222・6495)へ。