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和歌山ニュース 山里の魅力発信 交流拠点「志賀野ベース」

山里の魅力発信 交流拠点「志賀野ベース」

公開日 2017.06.20

自然豊かな山里の紀美野町志賀野地区に、交流拠点「志賀野ベース」が誕生する。築100年の古民家を改修した施設で、同地区で育まれてきた歴史や文化、産業、景観や風土などの資源を、地域の魅力として発信する。運営・管理する任意団体「未来de志賀野」(大隅康司代表)のメンバーは「地域に元々ある、無添加の田舎の良さを発信したい」と意気込む。オープニングイベントとして、17、18、24、25日に地区を写した写真展「志賀野の調べ」を開く。

同団体は平成24年に発足。地区内の志賀野小学校が廃校となり、住民が寂しさを感じる中「子どもの声が聞こえるような機会をつくろう」と、廃校となった小学校を拠点に、自然体験イベントやイルミネーション点灯など、多彩な企画を展開してきた。

立ち上げから5年がたち、年間を通じて地区の魅力を発信できるスペースをつくろうと、町の地域提案型空き家活用事業を活用。小学校のそばで、空き家になっていた木造平屋の築100年の古民家を借り、学生ボランティアらを交えた塗装のワークショップを開くなど、新たな息吹を吹き込んだ。

施設名は、さまざまな情報発信基地にとの思いで命名。四つ間型の座敷の他、土間にはかまどを備え、レトロな雰囲気を漂わせる。メンバーの北裕子さん(56)は「作品発表したい人など、大歓迎。他の地域から人を迎え、人をつなぐ場になれば。今後は山菜採りをしてご飯を食べるなど、ここでしか味わえない自然体験イベントも企画したい」と夢を膨らませる。

地区を愛する人たちの思いが詰まり、大隅代表(67)は「個人的には、DASH村(自給自足の田舎暮らしを実践するテレビ番組の舞台)が好きなんです」とにっこり。「訪れる人に、志賀野の良さを感じてもらいたい。他から人を呼び込むことで、地元の私たちが知らない良さに気付かされることもあるはず」と話す。

今回の写真は、同地区に住む団体メンバーの薮本哲秀さん(55)が撮影。日常の美しい自然を写し、県外から移住した手すき和紙職人の西森三洋さんの和紙に印刷して約35点を紹介する。プロジェクターを使った幻想的な空間展示にも注目。「誰もが思い描くような山里の身近な雰囲気を、写真展全体で感じ取ってもらえたら」と薮本さん。

写真展は午前10時から午後5時まで。駐車場がないため、旧志賀野小学校駐車場の利用を呼び掛けている。問い合わせは大隅代表(℡090・3465・3712)。