津波予報の区域拡大 観測システム増設で

紀伊水道沖に拡大されたDONETの観測網(県提供)

県は21日、地震・津波観測監視システム「DONET(ドゥーネット)」を活用した津波予報の対象区域を、これまでの県内沿岸7市町から沿岸全18市町に拡大し、9月中旬から業務を開始すると発表した。DONETの観測機器が紀伊水道沖に新たに設置されたことに伴う業務拡大で、南海トラフ巨大地震による津波の高さや到達時間などが従来より正確に測定でき、県はより精度の高い津波対策に活用する。
DONETは、海底に地震計や水圧計などの観測機器を設置し、海底ケーブルで観測データを陸上に送る。DONETを活用した津波予測システムは、海洋研究開発機構と県が共同研究で開発し、平成27年4月から運用している。観測機器から届いたデータは県から各市町村に送られる。
従来のDONET1は、熊野灘沖の水深2000~4000㍍の海底20カ所に観測装置が設置され、予報対象区域は、みなべ町から太地町にかけての県南部沿岸7市町の38カ所となっていた。
今回、DONET2として、紀伊水道沖の水深1000~3600㍍の海底に29カ所が新たに設置され、熊野灘沖にも2カ所を追加。紀伊半島をぐるりと囲む観測体制となったことにより、予報対象区域は沿岸18市町の98カ所へ拡大し、海底ケーブルの延長はDONET1の約250㌔に対し、DONET2は約350㌔に達する。16日に気象庁から認可を受けた。
仁坂吉伸知事は21日の定例記者会見で、DONETについて、津波の実測に基づきデータが提供される点を高く評価し「(津波が)どれくらいの大きさでいつ到達するか完璧に分かる。(災害への)対応にものすごく役に立つ。上がってくるデータを基にしてしっかり避難することが大事だ」と述べた。
県は、津波被害の想定を基に新たな予報対象区域を決定。本紙エリアでは、和歌山市の西庄・湊・築港・西浜・布引の5カ所と海南市の船尾・下津町方北・下津町西の3カ所が対象となった。
和歌山市総合防災課は「初動対応の迅速化が可能になるのでは。想定される震源地からは距離があるが、積極的に活用を検討したい」と話し、海南市危機管理課は「区域拡大の話は昨年から耳にしていた。津波に備える体制をしっかり組んでいきたい」と意欲を示す。
9月上旬に県庁で県内市町村や消防関係者を対象とした説明会が開かれる。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。