イトミミズで汚泥削減 下水処理場で実験

模擬装置でパイル繊維を使った実験について説明する県の担当者

県の下水処理施設、那賀浄化センター(和歌山県岩出市中島)は本年度の新政策として、イトミミズと県特産のパイル繊維を使って下水汚泥の削減を目指す実証実験を行う。7日に開始し、平成31年度まで実施する予定。汚泥を処分する費用の縮減をはじめ、下水処理施設の将来的なコストダウンが期待される。

県下水道課によると、パイル繊維で作った土台「担体」にイトミミズや微生物を繁殖させて汚泥の補食を促し、汚泥の減少を図るもので、下水処理場での実証実験は日本初。

これまでに、県工業技術センターが23~25年度にみなべ町の梅加工会社の排水処理設備を利用して実験を行い、パイル担体設置以降、汚泥量は年々減少し、当初と比較して約83%が削減された。28年度には花王和歌山工場で化学工場の排水の汚泥を減らす実証実験に取り組み、同様の成果が確認されている。

今回の実証実験では、下水槽内に幅12㌢、長さ3・6㍍のパイル繊維を輪の形に取り付けた50㌢角のステンレス枠を38個設置し、水中ミキサーで槽内の汚泥を拡散させ、パイル繊維に付着したイトミミズなどに汚泥を補食させる。汚泥が減量できることを実証し、下水処理や汚泥処理工程への影響についても検証した上で、他の下水道施設への展開を目指す。

1日には那賀浄化センターで実証実験についての説明があり、岩出、紀の川両市の担当者や報道関係者が施設内を見学した。

同課流域下水道班の玉置哲郎班長は「実験を通して維持管理費の削減などを実証したい。県産品であるパイル繊維の新たな用途にもつながれば」と話している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。