社員を増やし残業減 山本産業の大東社長

働きやすい職場づくりへの思いを語る大東社長

製造請負業の山本産業㈱(本社=和歌山県和歌山市紀三井寺)は、社員が働きやすく、それぞれのライフスタイルを実現できる職場環境を実現しようと、従業員を増やして残業を削減するために工場を新設するなど、新たな視点からの事業発展に取り組んでいる。大東俊晶社長(66)は「社員あっての会社。働きやすい環境を整え、地域の人からさらに愛される会社をつくりたい」と話している。
同社は1947年に創業。花王㈱和歌山工場が製造したシャンプーや洗剤などの製品を
詰め合わせ、包装するなどの業務を手掛けており、従業員数は約830人。「地域を盛り上げ、確かな人財を育てる」を理念としている。
岩出市畑毛に新工場が完成し、稼働したのはことし2月。それ以前、紀三井寺の本社工場では、立ち仕事が中心の製造ラインの業務量が多く、一部の従業員に長時間勤務が発生していたという。育児や家事を抱えながら勤務している女性も多く、改善の必要性を感じていた。
大東社長は従業員と個人面談を重ね、業務や体調について尋ねたところ、「腰痛や手のしびれで、接骨院や鍼灸院に通っている」「ずっと立ちながらの作業で体に痛いところはあるが、言い出しにくい」などの声があった。「会社の中だけが人生ではない。社員それぞれに家庭や地域がある。働く人を増やし、残業時間を減らそう」と決断した。
新工場の建設候補地として、当初は和歌山市北部なども検討したが、県内で数少ない人口増加地域であり、若年層の比率も高い岩出市に注目。土・日曜に休日を取りやすいこと、育児や家事と両立しやすいよう働く時間帯は柔軟に対応することなどをアピールしたところ、昨年11、12月に開いたパート従業員募集のための会社説明会には70人の定員を大きく上回る約260人が参加した。
予想を上回る反応の良さに手応えを感じ、予定を超える約90人を採用した。新工場では本社工場と同じ製品を製造しているが、新しい職場、新しい従業員でのスタートであり、大東社長は「職場に“色”もついておらず、新鮮な気持ちで働いてもらえるのではないか」と期待を寄せる。将来はさらに製造ラインを増強し、生産能力を高めようと考えている。
働きやすい職場づくりと、地域を盛り上げるという企業理念に沿ったもう一つの取り組みに、Jリーグ入りを目指す関西リーグ1部のサッカーチーム「アルテリーヴォ和歌山」の支援がある。
2016年2月から選手雇用パートナーとなり、現在は5人の選手を雇用。選手たちは午前に練習時間を確保し、午後を中心に勤務している。チームの試合の日には同僚たちが応援に駆け付け、100人以上が集まるときもある。
選手たちも大切な従業員。4月14日に開幕する今季の関西リーグでの躍進と上位リーグへの昇格を後押ししていく。
チームへの支援は地域の発展、まちづくりにつながる意義ある取り組みと考えている。大東社長は「スタジアム周辺にカフェや商業施設が立ち並び、多くの人でにぎわう風景をつくるのが目標。和歌山にスポーツを観て、応援して、楽しむ文化を根付かせたい」と未来の夢を思い描いている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。