神仏の縁起絵巻の世界 県立博物館企画展

来場者が大勢訪れ見入った

和歌山県内に伝わる、寺社の由緒や神仏の霊験あらたかな功徳を描いた「縁起絵巻」を紹介する企画展「きのくに縁起絵巻の世界―開かれる秘密の物語―」が4月15日まで、県立博物館(和歌山市吹上)で開かれている。自然景観が描かれた「衣奈八幡宮縁起絵巻」や、熊野の神がインドにルーツを持つことを伝える「熊野権現縁起絵巻」など、23点を展示。24日には大河内智之主査学芸員による解説があり、50人近い来場者がその物語に引き込まれるように聴き入った。
展示資料のうち、1月に同館が存在を初めて確認した「粉河寺御池海岸院本尊縁起絵巻」は初公開。粉河寺御池坊(みいけぼう)本尊で、観音が自ら作ったという童男行者像の変遷をめぐる内容で、大河内主査学芸員は「粉河寺の観音信仰の一例を示す重要な資料」と紹介した。
徳川家康の生涯や、神となって祭られた由緒を記した「東照宮縁起絵巻」は絢爛(けんらん)豪華な仕上がり。金箔(きんぱく)が多く使われ、重い巻で2㌔もあるという。巻物を保管するための重厚な箱も展示され「縁起は神や仏にまつわる物語が収められ、簡単には見ることのできなかった、まさしく『秘密の物語』。それを開いて見ることは、かつての人々の信仰の記憶をたどること」と話した。
説明を聴いた関東出身でニューヨーク在住、美術館ガイドをしているというキンボール真知子さん(70)は「和歌山の縁起絵巻は他と比べて、土地の濃密な物語が刻まれていて面白い。神道が強いイメージでしたが、神仏習合の位置付けがされているのが興味深かったです」と話していた。
展示解説は4月8日午後1時半からも行われる。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。