ノーベル平和賞ユヌス氏と吉本 会社設立

ユヌスさん(前から2列目中央)を囲み、プロジェクト開始を祝う芸人や協力企業の参加者(東京都内で)

吉本興業は28日、バングラデシュの経済学者で2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスさんと提携し、ソーシャルビジネスに取り組むと発表した。利益の最大化を目指す従来のビジネスモデルと違い、貧困や過疎、後継者不足など社会が抱える問題をビジネスで解決する。全国47都道府県で活躍する「住みます芸人」や所属タレントを中心に、企業や自治体などと協力しながら、得意とする「笑い」の力で、社会問題の解決を目指す。
ユヌスさんは1983年にグラミン銀行を創設し、主に農村部の貧困層を対象に「マイクロクレジット」と呼ばれる無担保の小口融資を実施。貧困削減のための新しいモデルを提示し、バングラデシュの貧困削減に貢献したことが認められ、ノーベル平和賞を受けている。
吉本興業はユヌスさんが提唱する「ユヌス・ソーシャルビジネス」に賛同。実践と普及を目指し、2月1日に子会社「ユヌス・よしもとソーシャルアクション株式会社(yySA)」を設立した。
28日に東京都内の日本外国特派員協会で行われた会見で、ユヌスさんは「芸人には人の心に直接訴えるパワーや、地域と一緒に物事をより良い方向へ持っていく能力がある。知識を生かして社会問題に貢献することが重要で、私は応援役として世界に発信したい」と述べた。
yySAの小林ゆか社長は「ソーシャルビジネスをお茶の間に届け、カルチャーにしたい。起業する人だけでなく、主婦やOL、おっちゃんやおばちゃんもユヌスファミリーにしていきます」と決意。
会見に先立って、都内で事業開始記念イベント「ユヌス家族会議」が開かれ、所属芸人の銀シャリやダイノジ大谷、ゆりやんレトリィバァらが、独居高齢者やシャッター街の問題、農業の担い手不足といった、実際に「住みます芸人」が地元で見つけた課題をコントに盛り込み、プレゼンテーション。さまざまな分野の起業家たちが解決策を提案した。ユヌスさんと一橋大学名誉教授の野中郁次郎さんとの対談もあった。
今後は、ソーシャルビジネスを行う企業に資金を提供するファンドの立ち上げや、アジアへの活動展開も進めているといい、和歌山県住みます芸人「わんだーらんど」のたにさかさんは「絵が好きなので、絵を描ける皆さんと一緒にSNS映えしそうな絵をシャッターに描いて楽しい商店街にしたいです」、まことフィッシングさんは「和歌山の特産物、ミカンや梅農家さんの課題を解決していきたいです」と熱意を示している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。