加太研究へ東大が拠点設置 和歌山市と協定

協定書を手に(左から)川添准教授、藤井所長、尾花市長、青木特任助教

東京大学生産技術研究所(藤井輝夫所長)と和歌山県の和歌山市は23日、加太地区で地域と連携した研究や取り組みを深める相互協力・連携に関する基本協定書を締結した。同研究所が国内の地方都市に研究拠点を構えるのは珍しく、産官学が連携した新たなまちづくりの形が期待される。
同研究所は120以上の研究室があり、大学院生、教員ら1000人以上の研究者が工学分野の研究を行う日本最大級の大学付置研究所。建築設計学の川添研究室(主宰=川添善行准教授)は2014年、加太地域を研究対象として「スマートコミュニティ化」に向けた研究を行って以来、住民と観光客の回遊行動調査や留学生と住民らのまちづくり勉強会、砂浜にLED付き風車を並べる「風灯り」ワークショップなどの取り組みを進めてきた。
今回の協定により、駐在型研究拠点の「東京大学生産技術研究所 加太分室地域ラボ」の設置や人材育成、地域課題の解決などに向け連携協力が進められる。
地域ラボは古民家をリノベーションして造り、青木佳子特任助教が常駐。滞在することで発見できる課題や解決法を見つけて実践する。他にも地元の小中高生への出前授業や地域活性化への機運醸成、各分野の有識者が調査して町と各分野の新しい可能性を開拓する活動などを予定している。
市役所で行われた締結式では藤井所長と尾花正啓市長が協定書にサイン。尾花市長は「協定が結べてうれしく思う。加太は資源に恵まれているが、人口が少なく、高齢化率も高い。研究や地元の支援によってまちづくりのモデルになっていけばうれしい」、藤井所長は「加太の人も受け入れてくれて、地域と共に課題に取り組む貴重な機会をもらった。グローバリゼーションの考えが広まっているが、地域には歴史や環境があり、それらを組み合わせて考えていくことも大事。連携に期待したい」と話した。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。