陸奥宗光の懐刀を活写 山道直砥の本2冊

『明治の一郎 山東直砥』

和歌山県和歌山出身の教育者・山東直砥(さんどうなおと)の生涯を激動の幕末から明治期とともに描いた書籍『明治の一郎 山東直砥』『明治を駆けぬけた紀州人 山東直砥』(中井けやき著)が、㈱百年書房から同時に刊行された。
山東直砥は1840年和歌山生まれ。同じく和歌山出身の陸奥宗光とは「陸奥宗光の懐刀」と呼ばれるほど深い関わりがあったが、史料は戦災により焼失している。
山東は幼少期に高野山で僧侶の修行をしていたが脱走。父の死をきっかけに還俗し、名前を「一郎」と改め志士の松本奎堂に付いて尊王攘夷派志士として勤王塾・双松岡に出入りするようになる。
土佐藩船「夕顔丸」乗船中に陸奥と出会い、神奈川県令となった陸奥に呼ばれて出仕。その後も出獄した陸奥を出迎えたり、第1回衆議院議員選挙を控えた陸奥と和歌山を巡ったりして、親交を深めた。
その間も「薔薇楼出版」で翻訳本や携帯用の「縮刷大蔵経」などを出版し続け、1904年に他界。
著者の中井さんは1942年東京生まれ。歴史に埋もれた無名人を掘り下げる連載をブログ「けやきのブログⅡ」で執筆中。山東のことは前作『明治の兄弟 柴太一郎、東海散士柴四朗、柴五郎』の執筆中に知り、それから書きためた原稿をカルチャースクールを通して書籍化した。中井さんはブログで「資料が少なく苦労したが、面白い人物が世に出せてうれしく思う。前作とは違う明治人を知ってもらえたら」と話している。
『明治の一郎 山東直砥』は492ページ2500円(税抜)、『明治を駆けぬけた紀州人 山東直砥』は178ページ1300円。宮脇書店、帯伊書店などで取り扱っている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。