海中転落の男性救う 海保が2人に感謝状

表彰を受けた寒川悦子さん(前列中央)と木村さん(同左)

和歌山県和歌山市加太沖で発生した海中転落事故で人命救助に貢献したとして、海上保安庁は4日、故・寒川(さむかわ)健一さん(74)=同市六十谷=に海上保安庁長官表彰、木村和也さん(50)=同市栄谷=に第五管区海上保安本部長表彰を贈呈した。
和歌山海上保安部によると、昨年11月6日、同市加太の田倉埼の南方約3㌔の海上で、釣りに来ていた大阪府貝塚市の男性(56)が船から海中に転落していたのを寒川さんが発見。寒川さんは知人の木村さんに救助協力を要請し、自身は船を近づけ、沈まないよう男性の手を握り締めて待ち、到着した木村さんと協力して男性を無事に救助した。
しかし救助直後に、寒川さんは心筋梗塞で倒れ、同日夜に搬送先の市内の病院で亡くなった。
表彰の伝達式は同市築港の和歌山海上保安部(福山孝輝部長)で行われた。寒川さんの代理として妻の悦子さん(76)と義娘の千佳さん(46)、木村さんが出席し、福山部長が表彰状を手渡した。
福山部長は寒川さんと木村さんの行動をたたえ、「海難事故はなくすのは難しい。いかに早く通報するかが大事になる。寒川さんや木村さんのように近くにいる人が救助活動をしていただくと、命が助かりやすくなります」と話した。
妻の悦子さんは「感無量です。お父さんも喜んでいると思います」と話し、木村さんは「救助できて良かった。釣りに行くときは『今回も釣らせてよ、寒川さんお願いします』と手を合わせています」と寒川さんをしのんでいた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。