和歌山市で写し霊場巡り 三十三所1300年

法話をする前田貫主

日本最古の巡礼路といわれる西国三十三所観音霊場は、本来は近畿2府4県と岐阜県にまたがる寺院を巡るが、有力大名らが居住地域で巡礼ができるように創建した「西国写し霊場」が和歌山市をはじめ各地にある。ことしが三十三所の草創1300年にあたることを記念し、市内の写し霊場を巡るツアーが人気を呼んでいる。

南海電鉄和歌山支社が企画した全4回のツアーで、このほど第1回を開催。第一番札所の「鶴林山高松寺」(東高松)を皮切りに、第十番の「大寶山恵運寺」(吹上)までを、市語り部クラブの中島暁子さん(73)の解説を聞きながら巡り、10〜70代の35人が参加した。

高松寺では、実際の二番札所である紀三井寺の前田泰道貫主による法話があり、参加者は熱心に耳を傾けた。前田貫主は観音霊場の起源について、養老2年(718)に徳道上人が奈良県の長谷寺で病で死に瀕したとき、閻魔(えんま)大王から悩む民衆を救う霊場巡りを広めるよう言われ、預かった宝印を基に札所を開いたとされる逸話を紹介。西洋の巡礼が聖地を一直線に目指すのに対し、東洋では巡回するという違いも語った。

西国巡礼が注目されていることについては「情報社会に生きる現代人が確かなつながりを求めるようになり、観音様を心の頼りにして時間を過ごすこともまた良し、と考えるようになっているのではないでしょうか」と話していた。

法話を聴いた和歌山市の80代の女性は「国により巡礼の様式が異なることは、哲学的な違いにも通じると感じた」。南海電鉄和歌山支社の杉本吉史課長(48)は「地域の資源を生かし、和歌山線沿線を盛り上げたい」としている。

問い合わせは同支社(℡O73・433・1285)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。