近大構内にドクターヘリ離着陸上 運用開始

ドクターヘリに傷病者役を乗せる消防士ら

近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市西三谷)の駐車場の一部が県ドクターヘリの臨時離着陸場となり、運用を開始した10月29日、県立医科大学と那賀消防組合消防本部、同大の3者はデモンストレーション飛行などの合同訓練を行った。

ドクターヘリは最新の医療機器を備え、救急医療の専門医、看護師らを乗せて救急現場に駆け付け、重篤患者の救命治療を行う。県立医大付属病院が2003年1月から運用しており、奈良県南部や三重県南部を含む半径100㌔圏を運航範囲としている。

近大と紀の川市、那賀消防がことし6月に防災の取り組みを協議する中で、離着陸場を整備することで、学生や教職員、周辺住民に重傷病者が発生した場合や災害により大学周辺が孤立状態になった場合などに早期の搬送や救出につながるとの考えで一致。10月1日付で大阪航空局の許可を得た。

離着陸場となったのは、標高135㍍に位置する第二学生駐車場(約8000平方㍍)の一部。訓練では学内で重大事故が発生したケースを想定し、大学、消防、病院の関係者約30人が参加した。

ドクターヘリの回転による粉じんの巻き上げを防ぐために散水が行われ、消防が医大付属病院にヘリの出動を要請。ヘリは数分で飛来し、傷病者役の大学生が担架に乗せられヘリに運ばれた。

生物理工学部の梶山慎一郎学部長はキャンパス内への離着陸場設置について「川の近くは氾濫により被害を受ける可能性があり、山間部への立地は大変意義があるのではないか」と歓迎し、「何かあった場合に学生や地域の方に使っていただくことができる」と話した。

傷病者役を務め、消防士を目指しているという同学部人間工学科3年生の長谷航希さん(21)は「ヘリは見ること自体が初めてで、運ばれていく途中はとても緊張しました。普通はできない体験ができて良かったです」と話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。