ドクターヘリを間近で 上名手小で訓練見学
2018.11.15
救急医療の拠点から離れた地域に迅速に駆け付け、重篤患者の治療を行う県ドクターヘリの離着陸訓練が13日、和歌山県紀の川市江川中の市立上名手小学校であり、同小と校区が隣接する川原小の児童ら約100人が見守った。
地元住民らで構成する上名手小学校をよくする会が主催。ことし2月、地元の要望を受け、同小運動場がドクターヘリの離発着場となり、子どもたちに知ってもらおうと初めての訓練となった。
ドクターヘリは和歌山市の県立医科大学付属病院から約8分で同小運動場に飛来し、傷病者の引き継ぎを訓練。児童は辻本博史機長の案内で、計器類などを多数備えたヘリ内部を見学した。
訓練後、体育館で同大高度救急救命センター長の加藤正哉教授が「コードブルーとドクターヘリの活動」と題して講演。重症の救急患者を受け入れる救命救急センターが県内には3施設しかなく、「脳卒中や心臓発作などの病気は時間との闘い。人工呼吸器や酸素供給器などを搭載したヘリの中で早く治療を始める必要がある」とドクターヘリの重要性を話した。
ドクターヘリの特長も説明。機体が小さくて小回りが利くため、離着陸がしやすいこと、エンジンをかけてから飛び立つまで、一般的なヘリでは10分程度かかるところが約3分で飛び立てることなどを伝えると、子どもたちは感心した様子で聞いていた。
初めてドクターヘリを見たという川原小6年の木村日和さん(11)は「ドラマに出てくるドクターヘリを目の前で見られてすごく興奮しました」と喜び、上名手小4年の本多春輝君(10)は「ヘリの中には小さい機械がたくさんあってびっくりしました」、同じく4年の林舜介君(10)は「プロペラが回転するスピードが速くて驚きました。将来はドクターヘリの操縦士になりたい」と話していた。