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薬物使用は絶対NO 粉河高で那賀LC講演

公開日 2018.12.21

那賀ライオンズクラブ(LC、厚地諭会長)は19日、薬物の危険性を啓発する講演会を紀の川市粉河の和歌山県立粉河高校体育館で開き、卒業生でNPO法人紀州粉河まちづくり塾会長の楠富晴さん(66)が全校生徒約730人に「薬物は体へのダメージが大きく、簡単にやめられない。誘われても断る勇気をしっかり持って」と呼び掛けた。

同LCがことしで設立55周年となるのを記念して開催。これまでも会員が市内の小中学校で薬物乱用防止を訴える授業を開いており、今回は高校生を対象に企画した。

厚地会長は開会のあいさつで「世間のいろいろな誘惑にきちっとした考えで対応し、素晴らしい人生を送ってください」と話した。

楠さんは講演で、2016年にかつらぎ町の工場で大麻を栽培したとして暴力団関係者ら4人が大麻取締法違反容疑で逮捕された事件や、人口10万人当たりの覚せい剤事犯検挙者数で県内が近年全国ワースト5位以内に入ることが多い状況にふれ、「薬物の問題は対岸の火事ではない」と強調。薬物の使用による人体への悪影響として、脳へのダメージが大きいことを挙げ、円を描く、漢字で文章を書くなどの行為が難しくなると話した。

薬物に手を出すきっかけは知人からの誘いが多いとし、具体例として「1回だけなら平気だよ」「使うと痩せるから」「初回は無料」などの誘い文句を紹介。「甘い誘いに乗ってはいけない。怖い先輩からの誘いを断るのは勇気が必要だが、きっぱり断ってほしい。困ったら先生に相談して」と呼び掛けた。

楠さんが生徒にマイクを向け、薬物についての考えを尋ねる場面もあり、生徒は「とても怖い」「絶対にやっちゃいけないと思う」などと答えていた。

3年の曲里泰一君(18)は「もし先輩から誘われてもしっかり断ることが大切だと強く思いました」と話した。

講演の前には同LCの役員9人が校長室を訪れ、校舎敷地内の街灯整備資金の寄付目録を中谷力校長に手渡し、中谷校長からは厚地会長に感謝状が贈られた。