前年同水準の5531億円 19年度の県当初予算

和歌山県は6日、総額5531億円の2019年度一般会計当初予算案を発表した。予算規模は、新政策関連予算や社会保障関係費を確保し、前年度当初比0・1%減の同水準。過去10年で8番目の規模で、4年連続の減少となった。持続可能な財政運営を確保するため、貯金に当たる県債管理基金と財政調整基金の残高は、中期行財政経営プランの想定を上回る210億円となる見込み。13日開会の2月定例県議会に提案される。

19年度は、県が「さらに前進する」ための政策として、長期総合計画に掲げた将来像の実現に向け、五つの施策体系に基づき取り組みを推進する。組織改正では、21年に開催する国民文化祭や全国障害者芸術文化祭に向け、文化学術課に推進室を設置。IRの誘致推進の体制を強化するため、企画総務課にIR推進室長を専任で配置し、担当職員を増員する。

仁坂吉伸知事は、県がもう一度発展する条件は整いつつあるとした上で、今なお山積する人口減少や少子高齢化、自然災害などの課題にふれ、「問題に挑戦し続け、和歌山が持っている潜在力を解き放って、力強い発展を実現するよう政策を整えていく」と話した。

【歳入】
県税収入などの自主財源は2229億円で構成比率は40・3%。地方交付税などの依存財源は3302億円で同59・7%。自主財源のうち県税収入は0・9%増の935億円を見込んでいる。依存財源は地方交付税と臨時財政対策債の合計額が0・6%減の1871億円となり、実質的な交付税は県税収入の増加などに伴い、減少する見込み。

臨財債を除く県債は15・2%増の537億円。県債依存度は1・3%増の9・7%。全体の県債残高は0・9%増の1兆595億円、臨財債を除く県債残高は1・3%増の6833億円となり、県民1人当たり70万円(2万円増)の借金となる。

収支不足額は1億円減の9億円となり、財政調整基金の取り崩しにより補填(ほてん)。県債管理基金残高と財政調整基金残高の合計は210億円を見込み、当初同プランの想定だった196億円より改善している。

【歳出】
義務的経費は0・2%増の2290億円で、歳出全体の41・4%を占める。うち人件費は教職員や退職者の減少に伴い、1・0%減の1388億円。県債の返済などに充てる公債費は1・1%増の719億円となっている。社会保障関係費の増加に伴い、扶助費が6・3%増の183億円。

政策的経費のうち、建設事業費などの投資的経費は0・1%減の1062億円。内訳を見ると、普通建設補助事業費は大規模建築物の耐震化完了などで6・1%減の603億円。普通建設単独事業費は県立医科大学薬学部設置などにより26・8%増の254億円。災害復旧費は18・1%増の100億円となっている。補助費などはねんりんピックの開催や県議選、参院選の執行などにより、2・5%増の1179億円。

【主な新年度政策】
第2子の一部と第3子以降の保育料などを無償化(3億4533万円)▽第2子以降の0歳児を在宅で育てる家庭を支援(2億8229万円)▽年齢や国籍にかかわらず、義務教育未終了者、日本語支援が必要な人などの学び直し希望者を対象に講座を開設(1555万円)▽県産和牛の生産拡大を図るため赤身和牛の新ブランド化や和牛増頭を促進する仕組みを構築(682万円)▽新防災ナビの機能拡充(5060万円)▽津波避難困難地域の避難時間を確保するため堤防などを整備(24億7380万円)▽介護ロボット導入支援(8910万円)▽高速道路や幹線道路の整備推進(324億7304万円)
県の2019年度一般会計当初予算案のうち、県教育委員会所管分は前年度比1・0%減の969億9871万円となっている。予算の84・8%を占める人件費は、教職員定数の38人減などにより15億6928万円(1・8%)減の822億7078万円。

新規事業では、「学びのセーフティネット」として、不登校などの児童生徒の学校復帰と進路選択に向けたICTを使った学習支援に4261万円を計上。歴史的建造物など文化財の次世代への継承に3028万円を投じ、データベース作成や所有者と市町村への支援、近代文化遺産の調査や保存を進める。また、新学習指導要領に先行して県内全ての公立学校で始める独自のプログラミング教育に1億8124万円を計上している。

その他の主な新規事業は次の通り。南葵音楽文庫グランドオープン記念事業(7909万円)▽近代美術館大規模展覧会「プラハの煌めき チェコのジャポニズム(仮称)」開催(4493万円)▽芸術に親しむ機会が少ない地域での美術館出張展覧会・ワークショップの開催(764万円)▽児童生徒・保護者へのギャンブル、飲酒、薬物などの依存症の予防対策(1121万円)

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。