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和歌山ニュース 自民独占の牙城に挑む 激戦の岩出市選挙区

自民独占の牙城に挑む 激戦の岩出市選挙区

公開日 2019.04.06

和歌山県議選(7日投開票)の注目選挙区の一つ、岩出市(定数2)は、過去3回続いた自民党系候補の議席独占に風穴を開けようと、野党系候補2人が挑む構図で、激戦が展開されている。前回(2015年)の投票率は県内で最も低い38・63%にとどまり、政治への関心が低いといわれる新興住宅地の住民を多く抱えるなどの地域事情が、票の行方をさらに見えにくくしている。

立候補しているのは届け出順に、国民民主新人の坂田隆徳(39)、無所属新人の内海洋一(60)、自民現職の川畑哲哉(41)=1期=、自民新人の北山慎一(44)の4候補。前回の当選者はともに6000票台で、今回は「5000票は取らないと当落線の戦いに参加できない」(新人陣営)混戦模様となっている。

坂田候補は前回衆院選(17年)和歌山2区に旧希望の党から出馬し、自民の石田真敏氏(現総務大臣)に敗れており、衆院選で得た支援や人脈を基に、県議での再挑戦。地方財政が国に依存する中で自民の力が強まり過ぎ、閉塞感があるとして、非自民で住民のニーズに応える重要性を強調する。

新住民は旧来の住民と交流が少なく、政治への関心が低いといわれる。坂田候補は、昼間は仕事などで留守が多い新住民について「アプローチが難しい」としながらも、「(旧住民と)打ち解け合うための役を買って出たい」として積極的に支持を訴える。

「厳しい戦いだが、ずば抜けた候補はいない。最後まで努力を続ける」と接戦を見据えている。
北山候補は石田総務相の元秘書。陣営は、坂田候補から強く意識されていると感じるとし、「坂田さんは衆院選からの活動がある程度形になってきているように思うが、票は読めない」と警戒する。

秘書活動で地元の企業や団体の幹部らには以前から顔や人柄を知られているが、陣営は「初めての選挙なので不安材料はある。地道に頭を下げて歩き、より多くの人に信頼してもらうしかない」と、各地域などに声を掛け、個人演説会など候補を直接知ってもらう機会を多くつくっている。

やはり新住民への支持の拡大は課題となっており、「どの陣営の色もついていない人が多く、会えれば票につながる手応えはあるのだが」と苦慮している。

川畑候補は前回6731票を獲得してトップ当選。今回は唯一の現職候補であり、実績を訴えながら市内をくまなく街宣し、街頭での演説や立礼など細やかな活動を繰り返す。

陣営は「他の候補にはない1期4年間の実績を持っていることは大きい。期待もされている」と一定の手応えを示す一方、「他候補に目を向けている余裕はない。地道にコツコツ訴え、有権者に理解してもらうしかない。続けてきた活動の総仕上げの期間であり、最後まで厳しい姿勢で臨む」と気を引き締める。

自由党県連代表の内海候補は無所属での出馬。自由、社民が推薦し、共産の支援も受けるが、国政では自由との合併を模索する国民民主と競合し、野党分裂の選挙となっている。

カジノ誘致関連予算や水道民営化への反対などを訴え、街宣と街頭演説に力を入れており、内海候補は「主張が明確で分かりやすいとの声を頂いている」と手応えを話す。