根来寺の6棟が重文に 国の文化審答申

重層の屋根を持つ大伝法堂

国の文化審議会は、根来寺(岩出市根来)の6棟を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申した。大伝法堂、光明真言殿、大門、不動堂、行者堂、聖天堂の建物で、指定されれば和歌山県内の重要文化財(建造物)は国宝を含め84件となる。

根来寺は新義真言宗の総本山寺院。平安時代末期に覚鑁(かくばん)が高野山に創建した大伝法院を起源に、根来に移転。その後、室町時代から戦国時代にかけて発展したが、1585年の兵火で大きな被害を受けた。

大伝法堂は国宝の大塔の隣に建っている。前身の仏堂は兵火の直後に解体され、1824年に再建された。本尊の大日如来像を安置しており、寺の宗教活動の中心となる施設。重層の屋根を持つ県内屈指の大規模仏堂としても貴重。

光明真言殿は紀伊徳川家の支援で1801年に建立。現在は宗祖覚鑁を祭っている。外側にあたる
外陣は内部に柱を立てない大空間で、繊細な小組格天井を張り穏やかな内部空間をつくり出している。

大門は境内西の正門。近世の根来寺復興の最後を飾る事業として1845年に建立された。根来の大工と海南市下津町の加茂の大工が参加しており、細部には独特の意匠が用いられている雄大で重厚な二重門。

不動堂の建立は江戸時代中期にさかのぼるとみられ、数少ない大規模な八角円堂として貴重。行者堂と聖天堂は光明真言殿の西側に接続して建っている。行者堂も江戸中期の建立と考えられており、簡素でありながらしっかりとした造りの仏堂である。聖天堂は1736年に建立され、その後、池に面する現在地に移築された。

6棟は全て近世における復興の中で整備されたもの。大伝法堂、光明真言殿、大門は境内復興の中枢をなす大規模建造物であり、他の諸堂とともに高い歴史的価値があり、構造的工夫や細部に認められる地方的特色など、紀北地方における近世中・後期の建築技術や意匠の展開を知る上で重要と認められた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。