逍遥の描いた和歌浦 舞踊戯曲など再演PJ

逍遥の舞踊戯曲を筝で再演した

明治時代、多くの文化人に愛された旅館「あしべ屋」の別館のうち、現代にもその姿をとどめる「妹背別荘」(和歌山県和歌山市和歌浦中)。同時期に活躍した小説家、坪内逍遥が創作した舞踊戯曲「和歌の浦」を再演し、同所の文化的利用の促進を目指すプロジェクトの第1回目が17日、和歌の浦アート・キューブで行われ、約50人が楽しんだ。

舞踊戯曲再演プロジェクト「坪内逍遥と和歌の浦」は、2015年、逍遥が所蔵していた写真の中に妹背別荘のそばに建つ観海閣の写真が発見されたことをきっかけに発足。同所の館主を務める西本直子さんや活用法に賛同する上甲ひとみさんらが再演実行委員会を立ち上げた。

イベントの冒頭で西本さんは、発見された写真に男性2人の姿が見られることを紹介し「逍遥ではないかとしのばれる点がいくつかあり、和歌浦を訪れていたのではないかと推察しています」と強調。「研究を進め、和歌浦の景観の美と共に高い文化的価値を多くの人に知ってもらえるようにしたいです」と話した。

戯曲「和歌の浦」は浜辺で男女や子どもが日本舞踊や西洋ダンスを踊る場面を描いており、和歌山市出身の筝曲家、西陽子さんと門下生らが逍遥の歌に中島雅楽之都(うたしと)が曲をつけた1922年の作品を演奏。英語にも堪能だった逍遥が当時、芸術で日本と西洋のコラボレーションを試みようとした世界を味わった。

財団法人逍遥協会の濱口久仁子の基調講演もあり、来場者は逍遥の翻訳家や劇作家としての活動の足跡を学んだ。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。