越フック首相初来和 蓮の大輪が結ぶ友情

和やかに会談するフック首相㊧と二階幹事長

ベトナムから寄贈されたハスが植栽され、和歌山との友好の地となっている紀の川市の平池緑地公園に6月30日、同国のグエン・スアン・フック首相はじめ政府要人が訪れ、「ベトナムハス・大賀ハス観蓮会」に出席した。二階俊博自民党幹事長との会談や記念植樹が行われ、フック首相は国花である美しいハスに思いを託し、「両国民の心が生き生きとつながっていることを象徴している」と述べ、友好関係の深化に期待を寄せた。

同公園には、約2000年前の地層から発見された種子から発芽した大賀ハスと、2013年に越日友好議員連盟から同市に贈られ、15年に分根されたベトナムハスが植えられ、両国の友情の象徴として、毎年6月ごろに咲き始める。

フック首相は、G20大阪サミットに招待され来日し、同公園にはチャン・グイエット・トゥー夫人、マイ・ティエン・ズン官房長官はじめ閣僚らと10人で訪問。ベトナム首相の来県、来市は初めてで、多くの同国メディアも同行した。

観蓮会に先立ち、近隣の西貴志コミュニティセンターで、日越友好議員連盟会長も務める二階氏、仁坂吉伸知事、中村愼司市長、片山さつき地方創生担当大臣らが歓迎した。

二階氏はフック首相との会談で「政府や国家の交流も大事だが、それ以上に大切なことは、それぞれの国の地方と地方がつながっていくことだ」と述べ、国民同士の交流、特に「子ども大使」として両国の子どもたちが交流していくことの重要性を指摘。参院選後の近い時期に仁坂知事や中村市長、メディア関係者らによるベトナム訪問を実現したいとの考えを伝え、交流先となる地方の紹介などを要請した。

フック首相は「越日両国の関係が包括的に発展していることをうれしく思う。和歌山で観蓮会が開かれることは、まさに両国民の心が結び付いていることを象徴する意義を有している」と発言。ベトナム農業農村開発省と県が農業分野の協力について覚書を締結していることにふれ、友好関係のさらなる発展に期待を寄せ、和歌山からの訪問団を歓迎する意向を示した。

仁坂知事と中村市長もフック首相に歓迎の言葉を述べ、会談後は記念の品々を交換。日本側からは漆器や紀州てまり、あら川の桃など、ベトナム側からはハスの絵画やレリーフなどが贈られた。

平池緑地公園では観蓮会実行委員会や市民らが両国の旗を振り、大きな拍手で一行を迎えた。天気予報では大雨も心配されたが、わずかな雨にとどまった。

「平池」や「蓮」の文字が染め抜かれた法被を身に着けたフック首相は、開会式の祝辞で「強い日差しにも、雨にも色あせないすてきなハス」とのベトナムのことわざを紹介し、和歌山との友好関係の発展を願った。

歓迎の琴の演奏が行われる中、フック首相夫妻は来訪を記念する桜の植樹を行い、平池のほとりからピンク色のベトナムハスの大輪を眺めた。咲き始めで花の数こそまだ少なかったが、一行は笑みを浮かべ、和やかに談笑していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。