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和歌山ニュース 共通の資源生かして 県がタイ・ラノーンと交流

共通の資源生かして 県がタイ・ラノーンと交流

公開日 2019.08.05

タイ南部のラノーン県から2日、チャットポット・ピャムプトラ知事はじめ行政や経済界の関係者15人が和歌山県を訪れた。フルーツや温泉など共通する地域資源を持つ和歌山との協力関係を深めようと、食品関係企業などを視察し、和歌山市毛見の和歌山マリーナシティホテルでは日本貿易振興機構(ジェトロ)による歓迎夕食会に出席した。

ラノーン県は、北部でミャンマーと国境を接し、南部はアンダマン海に面している。タイで最も雨が多い地域で、1年のうち雨季が約8カ月に及び、世界遺産登録を目指している豊かなマングローブ林を有する。ラクサワリン、ポンランなどの温泉地もあり、マンゴスチンやドリアンなどの豊富なフルーツの産地としても知られている。

美しい海岸線、フルーツ、温泉などの地域資源を生かした観光や産業の振興を図るため、ラノーン県は、共通する資源を持ち、成功している地域を調査し、和歌山に注目。2018年5月にチャットポット知事らが来和し、和歌山県の山西毅治商工観光労働部長(現県世界遺産センター所長)を訪ね、双方の観光、産業の振興で協力することを確認した。

以降、双方の交流は急速に進み、同年7月には山西部長とジェトロ和歌山貿易情報センターの柴田哲男所長らがラノーンを訪問し、サイクリングロードのオープニングセレモニーに出席。現地企業との連携についても意見交換した。

11月にチャットポット知事が企業経営者らと再び来和し、食品加工メーカーや近畿大学水産研究所などを視察。ことし3月には、チャットポット知事の招待で柴田所長や和歌山の企業関係者がラノーンを訪れ、現地のイベントにPRブースを設置し、梅酒やしょうゆ、ミカンジュースなどの販売促進を行った。

こうした交流を背景に、和歌山県はタイ観光庁と18年11月に観光促進についての趣意書を、ことし5月には同国工業省と産業連携の覚書、商務省と中小企業の経済発展に関する覚書を締結した。

今回は、交流開始から1年2カ月余りで3回目となるチャットポット知事の訪問で、ラノーン商工会議所のティーラポン・チャリサラポン会頭、ホテル経営者、食品加工業者、現地メディア関係者らが同行した。

2日に関西国際空港に到着した一行は、有田市の㈱紀州有田蒲鉾を視察し、望月良男市長を訪問。和歌山市での歓迎夕食会には望月市長も出席し、山西所長、3月にラノーンを訪問した中野BC㈱の中野幸治社長、㈱早和果樹園の秋竹俊伸社長、湯浅醤油㈲の新古敏朗代表らチャットポット知事とは旧知の面々が顔をそろえ、総勢約30人がホテル敷地内の野外バーベキュースペースで和やかに交流を深めた。

チャットポット知事は「和歌山に来るのは3回目だが、まだまだ多くの魅力があると感じている。新しい出会いもあり、双方にとって良い交流をしていきたい。和歌山の友人の皆さんがラノーンに来られることを心から待っている」とあいさつ。山西所長らが歓迎の言葉を述べ、ラノーン訪問時の思い出の写真を贈るなどした。

一行は翌3日、高野山や紀の川市の「めっけもん広場」を視察し、夕方には和歌山市で開かれた第51回紀州おどり「ぶんだら節」に参加。ラノーン県のブースを出展し、コーヒーや海産物などの物産、観光などをPRした。5日に帰国する予定。