糖尿病創傷の治癒促進 医大のグループが解明

研究成果を紹介する近藤教授

和歌山県立医科大学医学部法医学講座の近藤稔和教授を中心とする研究グループが、糖尿病に伴い発生する壊疽(えそ)や潰瘍(かいよう)の発生メカニズムを解明した。このほど和歌山市紀三井寺の同大で記者会見があり、近藤教授が発表した。今後新たな治療法の開発が期待される。

糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンが不十分なために血糖値が高くなる病気。近藤教授は国内の患者数が増加傾向にあることを紹介し、「大きな自覚症状がなく、合併症が怖い」と強調。合併症は目、腎臓、神経に多く現われ、傷を負った場合に糖尿病の影響で免疫細胞の機能低下や動脈硬化による血流障害などが起こり、傷の治癒が遅れるという。

研究グループは、糖尿病にかかったマウスと、かかっていないマウスで傷の治癒にかかる期間を比較。糖尿病にかかったマウスの方が治癒に時間がかかった。研究グループは免疫細胞で作られるタンパク質で、血管の新生を促進するCCL2の量に注目。糖尿病にかかったマウスにCCL2を投与したところ、傷の治りが早まることを確認したという。研究成果は7月下旬に米国研究皮膚科学会の学術雑誌に掲載されている。

近藤教授は「皮膚科など臨床の先生とも連携しながら、人の傷を治すのにCCL2がどれくらい有効か調べていきたい」と意欲を示している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。