貴志川線の永続へ 和歌山電鐵が10企画

ニタマ駅長とよんたまと共に沿線の永続を願う小嶋社長(中央)

厳しい経営状況にある貴志川線を永続させようと、運営する和歌山電鐵㈱(和歌山県和歌山市伊太祈曽、小嶋光信社長)は11日、「キシカイセイプロジェクト」を立ち上げた。沿線名の「貴志」と「起死」を掛けた企画。「あと5回きっぷ」の発売やキャッシュレス決済への対応など10項目を打ち出し、同線の活性化を目指す。

同社などによると、2018年度の貴志川線の利用者数は208万6000人で、前年比3・8%減。同社が2006年に路線を引き継いで以来、13年目で初めて210万人を割り込んだ。また、台風被害対応などへの費用がかさみ、約3500万円の赤字を計上。前年度の赤字約1500万円と合わせ、債務超過となっている。今後も発生し得る自然災害や少子高齢化による利用者減少などを考えると、貴志川線の永続は相当厳しい状況だという。

プロジェクトは、名誉永久駅長「たま」が大明神となり鎮座4周年を迎えるのに合わせて発表。
紀の川市の貴志駅で開いた記者会見に、ニタマ駅長とよんたまと共に出席した小嶋社長は「ネコ駅長の頑張りは世界にとどろいている。何としても貴志川線を残す。それが将来の日本全体の地方鉄道が元気になる証しになる」と話した。

駅構内の「たま神社」では小嶋社長が同線の利用増と永続を祈願し、手を合わせ「よろしくお願いします」と頭を下げた。

プロジェクトは9月1日まで「迷探偵コンナンクイズラリー貴志川線最大の危機を救え!」の開催や「枕木オーナー」の募集、「三社参り(日前宮・竈山神社・伊太祁曽神社)周遊きっぷの開発」などを計画している。

登録有形文化財「伊太祈曽車庫」の観光資源化では、案内看板などの整備や見学ルートの回廊化による集客施設としての有効活用と体験メニューの開発による滞在型観光の開発などを行い利用者の増加を促す。

クラウドファンディングも活用し、「貴志川線を持続可能で安定的に永続すること」を目的に、「ニタマ電車」の運行を計画。約1~2年でめどを付けて資金を募り、製作費の一部を募る予定。

その他、同社が発表したプロジェクトは副駅名称(命名権)▽貴志川線サポーターの募集▽四季の郷公園味覚ゾーンとの連携強化▽観光イチゴ狩り事業への参入可能性の研究――。

小嶋社長は「できるだけ多くの人が貴志川線に熱い目を向けてくれるように10のプロジェクトをしっかりと実行していきたい」と意気込んだ。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。