人間力強化が大切 日本卓球協の宮﨑さん講演
2019.08.16
日本卓球協会強化本部長の宮﨑義仁さん(60)の講演会が11日、フォルテワジマ(和歌山県和歌山市本町)の大ホールで開かれた。105人が参加し、日本の選手層を厚くし、世界に通用する選手を育てる宮﨑さんの「大改革」について耳を傾けた。
宮﨑さんは長崎県出身。和歌山銀行に就職し、卓球日本代表としてソウル五輪や世界選手権で活躍。2001年に世界選手権で男子が惨敗し、仲間から「立ち上がって、代表監督になってほしい」と言われたのをきっかけに同行を退職。3カ月後に協会の男子代表監督に任命された。
無給で監督になる交換条件に、宮﨑さんは12歳以下のナショナルチームの設置、強化本部規定の改定、ナショナルトレーニングセンター新設検討委員会の設置を求めた。04年に小学生以下で競うホープスの全国大会を開催。08年に選手の育成機関であるJOCエリートアカデミーが設立され、卓球男子は真っ先に参加。SNSやメディアに対する講習会、英会話レッスン、小学生は歯磨きの講習など自立や人としての成長を促すプログラムに取り組んでいる。また、相手の目を見て話を聞くことやきっちりとあいさつすることなど、礼儀や姿勢についても教えている。
宮﨑さんはリーダーの心得として、部下に長く付き合えて、自分を鍛えられる心のスタミナ、上位者に屈せず、一度にたくさんのことができる心のパワー、妥協しない信念と時には一歩引くことのできる心の柔軟性を心掛けているとした。選手の育成には「人間力なくして競技力向上なし」が大事であり「どうすれば人間力が伸びるか分からないから、いろいろな研修をさせる。選手の知らないうちに人間力が身に付いて、自ら強くなろうと練習できるようになって、競技者9200万人の中国に迫れた」と話した。