国際映画祭で最優秀賞 和歌山市出身の空下さん

トロフィーを手に空下さん

和歌山県和歌山市出身の映像監督・空下慎(まこと)さん(34)=奈良県生駒市=の作品『桜が咲く頃 交わした約束は、』がスペインで開かれたマドリード国際映画祭で、最優秀外国語短編映画賞に輝いた。再会を約束し、夢を追い都会に行った女性と地元に残った男性の恋愛模様を実写とCGで描いた20分の短編作品。10月11日から13日まで和歌山城周辺で開かれる「Kisssh―Kissssssh(きしゅーきしゅー)映画祭」でもリメイク版が上映される。

空下さんは子どもの頃から絵や写真が好きで、コンクールにも出品していた。和歌山を出てしばらくサラリーマンをしていたが、28歳の時にやっぱりアートがしたいと思い立つ。宇多田ヒカルの「traveling」のミュージックビデオを見て「こんな作品を作りたい」と映像を手掛けた紀里谷和明監督に出会い、紀里谷監督の生き方を知り、本格的に映像の道を歩み始めた。

これまで企業のCMやミュージックビデオは制作しているが、映画は初めて。シンガー・ソングライターの松田真将(しんすけ)さんと出会い、松田さんの楽曲「桜が咲く頃、交わした約束。」と空下さんが長年温めていた脚本の世界観が一致していたことから制作に踏み出した。

クラウドファンディングで資金を集め、脚本を書きながら風景が思い浮かんだという兵庫県豊岡市で撮影した。海外で評価の高い日本のアニメをコンセプトに、映像は全てCG処理し、演出やカット割りを行った。マドリード映画祭ではそんな新しい表現方法が評価され、ノミネート21作品の中から選ばれた。

同作はミラノ国際映画祭にもノミネート。中国と合作の次回作も準備しており、和歌山での撮影を予定している。

空下さんは「撮影前から『外国の映画祭に行く』と宣言していたので、賞をもらった時はほっとした。和歌山での上映を通して、和歌山の映画産業も盛り上がってくれたら」と話している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。