健脚の参拝に記念品 急峻三社寺巡り始まる

御朱印と満願の記念品を手に(左から)小板禰宜、前田貫主、西川禰宜

日本遺産「絶景の宝庫 和歌の浦」を構成し、参道に難所の石段があることで共通する和歌山県和歌山市の紀三井寺、紀州東照宮、和歌浦天満宮は1日、参拝を健脚の証明とし、記念品を贈る新たな巡礼「和歌の浦急峻三社寺巡り」を開始した。11月開催の「ねんりんピック紀の国わかやま」に出場する全国の人々にも参加を呼び掛ける。初日に3社寺の代表が紀三井寺に集まり、巡礼と大会の安全祈願祭を執り行った。

和歌浦天満宮は50段、紀州東照宮は108段、紀三井寺は231段、計389段の急勾配の石段があり、参拝者を悩ませているが、紀三井寺の前田泰道貫主(61)は、高齢の参拝者が「無事に登って来られた」と達成感を話す姿に、石段を踏破する参拝が健康のバロメーターになっていると感じ、記念品を贈る取り組みを考えた。

和歌の浦で古くから信仰を集めてきた3社寺が手を携えられないかとの思いがかねてあった前田貫主がことし4月に紀州東照宮の西川秀大禰宜(45)に話し、西川禰宜が和歌浦天満宮の小板政規禰宜(46)に伝えたところ、快く協力が決まったという。

3社寺そろっての取り組みは記録になく、西川禰宜は「ありがたいお話で、ぜひとも一緒にやりたいということになった」、小板禰宜は「神社とお寺、神仏が合同で行うことは県内でも初めてではないか」と意義の深さを感じている。

「和歌の浦急峻三社寺巡り」では、和歌の浦の絵図を表紙に、3社寺の御朱印を押してもらえる和紙のパンフレットを作成。御朱印とともに日付を記入し、一日で3社寺を巡った人には特製の手ぬぐいと絵はがきが贈られ、限定の満願印を押してもらえる。複数日かけて巡った場合も絵はがきが贈られ、満願印は別のものとなる。

手ぬぐいは小板禰宜がデザイン。3社寺の御利益を表す文字として、和歌浦天満宮は学業成就を象徴する「徳」、紀州東照宮は無病息災の「寿」、紀三井寺は良縁成就の「福」を記した。和歌の浦を詠んだ万葉集の歌と長寿の象徴にちなみ「鶴」「千年」などの言葉もあしらわれている。

絵はがきには、3社寺の本堂や社殿の写真と絵図がデザインされている。

手ぬぐい、絵はがきは各3000枚を用意。なくなった時点で巡礼は一区切りとし、その後の取り組みは3社寺で話し合うとしている。

安全祈願祭は、前田貫主、西川禰宜、小板禰宜らにより紀三井寺本堂で行われた。祝詞奏上や玉串奉奠(ほうてん)、般若心経の読経や焼香など神式、仏式両方の儀式が厳かに進められた。

参列した、ねんりんピック実行委員会の西川隆博事務局長によると、大会で来県する約1万人の選手らには、県の観光案内などとともに3社寺巡りのパンフレットを送っており、和歌山の魅力発信と巡礼への多くの参加が期待される。

前田貫主は「健康、信仰、観光に寄与できる巡礼道であり、3社寺が今後も手を携えて協力していく契機になる」と話している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。