紀伊徳川家の名宝 県・市博物館初の共催展

徳川頼宣が大坂の陣で着用した「縹糸威胴丸具足」(県立博物館提供)

養珠院が祈りをささげた「子安鬼子母神立像」(市立博物館提供)

養珠院が祈りをささげた「子安鬼子母神立像」(市立博物館提供)

紀伊藩初代藩主・徳川頼宣(1602~71)の入国からことしで400年にあたることを記念する特別展「徳川頼宣と紀伊徳川家の名宝」が19日から、和歌山県和歌山市の県立博物館(吹上)と市立博物館(湊本町)で開かれる。一つの展覧会を2館で行う初の試みで、頼宣ゆかりの太刀や甲冑(かっちゅう)をはじめ、重要文化財9点を含む344点の貴重な文物が展示される。11月24日まで。
藩政の基礎を築いた頼宣が父・家康から譲り受けた品々「駿府御分物」、母・お万の方(養珠院)などゆかりの人物の所用品、紀伊徳川家ゆかりの寺社に残されている宝物、頼宣の家臣の家に伝来した資料などを紹介し、両館の共同調査の成果もふまえた展示となる。
県立博物館
主な展示品の一つは、頼宣が13歳の時に初陣の大坂の陣で着用した「縹糸威胴丸具足(はなだいとおどしどうまるぐそく)」(県指定文化財)。家康が頼宣の初陣のために作らせたとの伝承があり、具足とともに南蛮風の襞襟(ひだえり)や鎧下着、陣羽織が伝来しており、南蛮装飾を好んだ家康が、初陣の晴れ舞台での息子の活躍を祈る思いが感じられる。
「徳川頼宣守り本尊並内厨子(ならびにうちずし)」(焼津市指定文化財)は、駿河時代の頼宣が守り本尊にしたと伝えられる地蔵菩薩立像が、葵紋のある厨子内の蓮華座上に安置されている。像高は3・9㌢とごく小さく、所蔵する海蔵寺に残る縁起では、頼宣が駿河から紀伊に転封する際、髻(もとどり)の中に入れて尊信してきた守り本尊を奉納したとされている。
市立博物館
寛文5年(1665)4月17日、家康の50回忌に頼宣が紀州東照宮へ奉納したと伝えられる太刀(重要文化財)を見ることができる。平安時代後期に活動した伯耆国(鳥取県)の刀工「安綱」の銘が刻まれている。
頼宣の母・養珠院ゆかりの品では、「知勇兼備の男子をお授けください」と祈りをささげ、後に頼宣を授かったと伝えられる「子安鬼子母神立像」が見られる。鬼子母神は釈迦に帰依して子どもの守護神となったとされ、法華経信仰とも結びつき、養珠院が帰依していた日蓮宗で盛んに祭られる。
講演会や現地見学 関連イベント多彩
県立博物館は午前9時半~午後5時(入館は4時半まで)、市立博物館は午前9時開館で閉館時間は同じ。両館とも原則月曜休館だが、開館、休館の日が一部異なる。
学芸員による展示解説は19日、11月3、17日、県立博物館で午前11時から、市立博物館で午後2時から行う。
関連イベントとして、特別講演会「徳川御三家の成立と将軍家」を11月9日、担当学芸員の講演会を10月27日と11月2日、いずれも午後2時から市立博物館で開催。11月4、16日には城下町などの現地見学会もある。
問い合わせは県立博物館(℡073・436・8670)、市立博物館(℡073・423・0003)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。