障害者の就労を支援 おかい商店が生産委託

布肩引きを作る利用者

農業生産資材や福祉用具の販売などを行う㈱おかい商店(和歌山県紀の川市粉河、岡井良樹社長)は、収穫かごを肩に掛ける農業資材「布肩引き」を障害者就労支援事業所「ピーチ」(和歌山市出島)に生産委託し、同事業所の経営安定化と農業生産者に安価で高品質な製品を供給しようと取り組んでいる。おかい商店では「さらに県外にもPRし、商品の生産委託先を増やすことで障害者就労に役立つ取り組みを今後も続けていきたい」としている。

「布肩引き」は収穫かごを肩に掛けるためのストラップのようなもの。古くから県内の農家では収穫時の肩への負担軽減を求め、古い布を手編みした同資材が伝統的に使われてきた。

果樹農家の多い和歌山ならではの資材も、不景気の波を受け、コストが見合わず国内生産が難しくなったため、海外での製造へと転換した。

しかし、海外製品は価格面で安価なものの、品質の悪化が顕著であったことから2016年に同社が自社開発での国内生産に挑戦。自社製造で技術を安定化し、技術指導を同事業所に行い、生産委託をすることで安定した収益事業化を行ってきた。

現在は7法人11事業所に製造を委託し、年間で約2000本を製造販売している。この取り組みが功を奏して同事業所では3年前と比較して営業利益が80%増加。さらなる戦略が必要としながらも手応えを感じている。

このほど公開された製造工程では、事業所の利用者がロープを編みながら一つひとつ丁寧に、スムーズに仕上げていった。利用者は「力加減が難しいが徐々に慣れてきた。作るのは集中力が要りますが楽しいです」と笑顔。

岡井社長は「福祉全体の業界が豊かになれるように役に立ちたい。多くの人に知ってもらえるように、生産者に喜ばれるように今後も頑張っていきたい」、同事業所を運営する㈱プラムの矢野好生代表取締役は「この仕事を通じて、利用者には自信がつき、達成感を感じることができる」と話している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。