チベット仏教「祈りの道」 三崎さん写真展

祈りの精神世界を写した作品と三崎さん

インド北部の地ラダックで行われる、チベット仏教徒の正月行事「ゴチャック」をテーマにした写真展「祈りの道」が17日まで、和歌山県和歌山市十一番丁のギャラリーTENで開かれている。撮影したのは、福岡県出身で現在はマレーシアに住む三崎文雄さん(67)。真に迫るような村人の祈りの姿が、多くの来場者を引き付けている。

ゴチャックとは、仏教徒が行う最高の敬礼法「五体投地(ごたいとうち)」の祈りの作法。大声で経を唱えながら、両膝、両肘を付けて地面に伏し、何日もかけて僧院に向かう。108回の五体投地で進める距離はわずか2、300㍍ほどという。

三崎さんがゴチャックを撮影するようになったのは4年前から。別の目的で同地の撮影ツアーに参加し、高齢女性が五体投地をする姿を見て感動。集団礼拝のゴチャックを知り、カメラで追うようになった。

展示作品は、チベット仏教の経典にも使われている「ロクタ紙」で表現。黒と白の細密な描写が深い余韻を残す。

三崎さんはこれまで3度ゴチャックに同行。2週間かけ30㌔を進む集団に同行したこともある。今展では村人と活動を共にし、収めた36点を展示している。

作品は、マイナス20度以下の極寒の地をひたすらに進む人々、迫力ある羊の群れと対峙する礼拝者の集団、きょうの感謝と明日の無事を願い手を合わす姿など。揺るぎない信仰心で大自然と共に生きる人々を写し取り、チベット仏教の神髄に迫っている。

「自分でも家族のためでもなく、他者のために祈る」と三崎さん。「祈りの姿を見て、初めは修行だと思った。ただ、行動を共にするごとに心が洗われ、不思議と穏やかな気持ちになっていった」と話す。

「彼らの生活は祈りと共にある。これらは何も特別なことではなく、ごくありふれた『日常』。本当の幸せとは何かを少しでも感じ、考えてもらえれば」と話している。

午前11時から午後6時(17日は3時)まで。問い合わせは同ギャラリー(℡073・432・5600)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。