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和歌山ニュース 外来カミキリ被害初確認 県が果樹の対策呼び掛け

外来カミキリ被害初確認 県が果樹の対策呼び掛け

公開日 2019.12.27

県は25日、特定外来生物のクビアカツヤカミキリによる被害が、かつらぎ町の桃園地で発生したことを確認したと発表した。和歌山県内で被害の発生が確認されるのは初めて。生産者に対し、早期発見や防除対策を呼び掛けている。

クビアカツヤカミキリは成虫の場合、体長2・5㌢~4㌢で、光沢のある黒色と前胸の赤色が特徴。中国や朝鮮半島、台湾、ベトナムなどに分布しており、幼虫が樹木の中に入ると枯死に至る。

国内では、桜や桃、梅などで被害が確認されており、被害に遭うと樹木からミンチ状のフラス(虫糞と木くず)が出る。国内では2012年に愛知県で初めて被害が確認され、大阪府や奈良県などでも被害が発生している。

県内では、2017年7月にかつらぎ町の道路で雄の成虫1匹が発見されたため、県が早期発見を呼び掛け、関係機関による調査も行われてきた。ことし11月に同町の桃の園地でフラスが確認されており、その園地の周辺を調査した結果、6地点の11本についてフラスが確認された。今月25日現在、発生が確認されているのは桃とスモモの木で、梅や桜などでは確認されていないという。

県は被害拡大の防止に向け、市町村やJA、森林組合などに周知を徹底し、被害を発見した場合は通報するよう依頼する。県内全域で調査を継続する他、フラスまたは成虫を発見した場合は防除対策を指導するとしている。

25日は県かき・もも研究所の弘岡拓人副主査研究員や岩本和也農業生産局長らが県庁で記者会見。弘岡副主査研究員はクビアカツヤカミキリについて「繁殖力が高く防除が難しい」とし、「農地を見回り可能な限り早く見つけてもらうことが重要。防除する場合は薬液を(樹木に)あふれるまで注入することが大事」と訴えた。

岩本局長は「産み付ける卵の数が桁違いに多く、産み付けてから1~3年で成虫が出てくる。自動車にくっついて長距離を移動することもある。県内には桃や梅の産地があり、生産者も心配していると思う。関係機関や他県との連携も含め、ベストの対応が取れるようにしたい」と話した。