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知識の活用に課題 県の学習達成度調査結果

公開日 2020.01.09

和歌山県教育委員会は、昨年10月に県内の小学4、5年生と中学1、2年生を対象に実施した学習到達度調査の結果概要を発表した。基礎的な知識や技能を問う問題は、おおむねできている一方で、身に付けた知識や技能を活用する力を問う問題で、依然として課題があることが分かった。答えを求めるまでに複数の段階がある問題や、複数の文章、資料などを関連させる問題、示された条件に合わせて説明したり、構想を立てて説明したりする問題で課題が見られた。

調査は小学校234校、中学校123校の計約2万7900人が参加。小学生は国語と算数、中学生は国語と数学、小学5年生と中学2年生は理科も実施した。

平均正答率は国語が小学4年53・0%、5年51・9%、中学1年49・9%、2年49・9%、算数・数学が小学4年50・9%、5年54・2%、中学1年62・3%、2年50・4%、理科が小学5年61・3%、中学2年49・5%だった。

小学校の国語では、言語についての知識、理解、技能を問う問題の正答率が高かったが、4年生は文章をより良い表現に書き直す、5年生はつなぎ言葉を用いて文と文をつなぐことに課題があった。

算数では整数の除法や図形の合同など基礎的な問題は理解できているが、4年生が図形を構想する要素に着目してひし形と判断できる理由を説明すること(正答率17・6%)、5年生が除法に関して成り立つ性質を用いて、小数の除法を計算しやすい式にすること(同15・4%)といった考え方やとき方を説明する問題の正答率が低かった。

中学国語では1年生は慣用句の理解(同86・8%)、2年生は話の論理的構成や展開に注意して聞くこと(同83・2%)ができていた一方、1年生は話の構成の工夫や言葉遣いを考えて話すこと、2年生は複数の資料から適切な情報を得て自分の目的に応じて引用することに課題があった。

数学では一元一次方程式における移項、一次関数のグラフの特徴といった基礎的、基本的な知識は理解できていたが、1年生は具体的な場面において事象を正の数、負の数を用いて表現、考察すること(同43・5%)、2年生は事柄が成り立つ理由を構想を立てて説明する問題(同9・1%)の正答率が低かった。

また、小学校理科は台風と天気の関係において、雲画像をもとに特定の地域の天気を読み取る問題はできていたが、乾電池の向きと電流の向きとモーターの回る向きの関係の理解に課題が見られた。中学校理科は生物の生育分布から生息環境を考える問題はできていたが、課題を解決するための実験方法を考え、得られる結果を説明することに課題があった。