和歌山市の断水回避 枝管漏水で早期完了

修繕した水道管の事後処理をする作業員ら(20日午前2時38分)

漏水した水道管の修繕工事のため、和歌山市が市内中南西部の広域で19日午後10時から3日間行う予定だった計画断水は、20日午前2時ごろに工事が終了し、回避された。破損箇所が大規模な基幹配水管ではなく、枝管と判明し、断水せずに工事を進めることができたため。同日朝の段階で、濁り水が一部残っており、断水予定だった地域の小中学校や公園など30カ所では、応急給水が行われた。断水回避により市民生活への影響は想定より大きく緩和されたが、市民への情報提供の在り方などに課題を残した。

鳴神の国道24号花山交差点の地下で今月8日に漏水が発見され、市内世帯の2割を超える約3万5000世帯、約8万人を対象に断水を行うと市が発表したのは16日午後。市民に混乱が広がる中で工事当日を迎えた。
夜を徹し修繕工事 断水なし職員安堵

工事は19日午後7時に始まった。ボーリングなどの準備の後、大型カッターで路面のアスファルトを切り、削岩機やパワーショベルで掘削。10時に配水を止める予定だったが、固い地盤で掘削した範囲への出水が少なく、ポンプでくみ出して対応できたため、断水せずに工事を続け、漏水箇所の特定を進めた。

翌20日午前1時30分ごろ、深さ約2・5㍍にある直径15㌢の枝管からの漏水と判明し、現在は使われていない配管だったため、直径80㌢の基幹配水管につながっているバルブを閉め、2時ごろに修繕は完了。他の漏水がないかなどを確認し、2時20分ごろに工事を終えた。

同交差点から約500㍍離れた山上に位置し、基幹配水管に流れる水を止める設備がある花山配水池では、バルブを閉める作業のため、市職員が工事現場からの連絡を待っていたが、断水回避と工事終了の一報を受け、安堵(あんど)の空気に包まれた。
一斉使用で濁り水 開始直前の想定外

夜を徹した工事が順調に進んだ一方、想定外の市民への影響も出た。19日午後7時ごろから、水道水が濁っているとの市民からの苦情や問い合わせが市企業局に相次いだ。断水予定時間の直前に水道が一斉に使用され、水圧が下がったことが原因とみられ、配水池からの配水量を増やして対応した。

同局は、断水前に水道の使用量が増加することは予想していたが、濁り水が発生するほどの水圧の低下は想定していなかったとした。

濁り水が解消されるまでの対応として、小中学校や公園など30カ所での応急給水は、20日午前9時30分から行われ、高齢者世帯や障害者などの要望に応じ、市職員が水を配達する対応も行った。

新大工町の市立大新小学校には9時ごろに給水車が到着し、職員がホースを延ばして受水槽に給水。断水が中止になったため、開始時刻には水をもらいに来る住民の姿はなかった。給水の様子を見に来た大新地区婦人会の女性(76)は「中止になってほっとしている。断水前は近所の人にも声を掛け合い、親戚に頼んで飲料水を購入した。防災訓練にもなったのかなと思う」と話していた。

また、一部の集合住宅などの住民からは、断水回避の発表後も水が出ないとの声が寄せられた。同局は、断水に備えて集合住宅全体の取水口を閉じた場合、水圧の低下で高層階まで水が届かない場合などが考えられるとし、地域として断水になっている箇所はないと説明した。
広報発表が後手に 尾花市長「反省」

断水せずに工事が進められていることを市が公式に発表したのは20日午前0時を過ぎてから。尾花正啓市長は19日午後11時ごろに工事現場を訪れ、広報されていないことを知り、発表するよう指示したと明らかにした。計画断水の発表当初、漏水が小規模な配管である可能性を説明していなかったことなども含め、尾花市長は広報に問題があったとして反省点に挙げた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。