制服リユースで子ども支援 木野さんが活動

「きいちゃん食堂」の回収ボックスの前で木野さん

着なくなった学生服を再利用し、必要な家庭に安価で提供する取り組みを、和歌山県和歌山市和田の木野歩美さんが進めている。子どもの貧困や高齢者の社会参加の希薄化などの問題解決の一助にと、7月ごろに「制服リユースSHOP KAKAYA(かかや)」をオープンする予定で、制服の提供や回収ボックスの設置への協力を呼び掛けている。

木野さんの取り組みには、主に2点の社会的背景がある。

一つは子どもの貧困。日本は、相対的貧困の状態にある子どもの率が2015年のデータで13・9%に達し、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で最悪の水準にある。

相対的貧困は、毎日の衣食住に事欠く「絶対的貧困」とは異なるが、子どもたちの教育や体験の機会が乏しくなり、さまざまなな面で不利な状況に置かれる傾向がある。

もう一つは、高齢者の社会参加の希薄化。会話の頻度や近所付き合いが少ない人を中心に、生きがいを感じない割合が高い現状がある。

木野さんは、交通安全母の会での10年にわたるボランティア活動や、勤務する公益社団法人での業務を通じて、「社会のために自分ができることをしたい」と考え、制服のリユースを思い立った。

制服は、子どもの成長に応じて短期間で買い替えが必要になることも多く、負担になっている家庭が少なくない。

制服リユースは国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)のうち、「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「つくる責任つかう責任」に当てはまり、木野さんは地域に根差した活動を目指している。

昨年12月から学校や企業に協力を呼び掛け、これまでに和歌山市内の中学・高校の制服をはじめ、体操服、柔道着などを合わせて160着ほどが集まった。

回収した服は傷み具合などを確認し、補修とクリーニングを行った上で、支援が必要な家庭に安価で提供する。

補修には高齢者雇用で参加してもらい、クリーニングは就労継続支援事業所などに依頼することを考え、事業が軌道に乗れば、収益の一部を内閣府などが行っている「子供の未来応援国民運動」の基金に寄付する目標を掲げている。

協力する企業などは増えており、㈱フーズファイル(同市築港、大里公子代表取締役)が運営する県庁北別館1階の「きいちゃん食堂」には今月末まで、制服の回収ボックスを設置している。

木野さんは「家庭に眠っている制服を生かして、子どもの未来を応援してほしい。手に手を取って協力する『ハンド・イン・ハンド』の活動をしていきたい」と話している。

取り組みの詳細はホームページ(http://kakaya2020.com/、別掲QRコード)に掲載。問い合わせは木野さん(℡080・6114・9578)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。