ネット配信と公演を併用 音楽施設が鑑賞模索

ホール内から音楽を届ける名倉さん、小柳さん、刀祢さん(左から)

新型コロナウイルスによる県の休業要請が全て解除され、1週間以上がたった。多くのライブハウスやコンサートホールが再開に向け動き出す中、和歌山県和歌山市狐島の「LURU HALL(ルルホール)」では、6月から毎週無観客ライブのインターネット配信を行っている。新型コロナの影響で苦境にある音楽業界。復活を見据え、新たな音楽の楽しみ方を提案している。

同所では、開催予定だった多くのツアーやコンサートが中止になったことを受けて、3月から高感度ダミーヘッドマイクを使ったバイノーラル録音による高音質の有料ライブ配信サービスを開始。4月、5月は観客を入れず、配信ライブのみを行ってきた。同所の岩橋和廣さんによると、6月以降の予定も多くがキャンセルになっていたが、少しずつ全国ツアーやリサイタルの予定も決まり始めているという。

6月からはベーシストの刀祢直和さんとさまざまなアーティストによる配信ライブ「TONE BASS Presents BINAURAL JAZZ STREAM」をスタート。刀祢さんはライブツアーの中で3月に和歌山での公演を予定していたが中止に。岩橋さんから配信ライブの話を聞き、もともとジャズクラブなどで配信を行っていた刀祢さんは了承し、1日からライブを始めた。無料配信とアーカイブ付き高音質、高画質のプレミア配信、高音質のライブ音源をダウンロードできる2000円のハイレゾ配信を行っている。

8日の公演には刀祢さんとジャズボーカリストの小柳淳子さん、ピアニストの名倉学さんが出演。席数を15席に半減し、検温を実施。マスク着用を義務付け、ステージの演者と客席の距離を離すなど対策し、この日から観客の受け入れを再開させた。訪れた人は久しぶりの生音を楽しんだ。

岩橋さんは「しばらくは配信も続けて、観客も入れて、という形式が続くと思う。これからどうなるか分からないが、世間の流れに合わせて動きを考えていかなくては」、刀祢さんは「この数カ月で配信ライブは世間になじんだのでは。外国の人や会場に来られない人など、配信を通して新しいお客さんとつながる可能性を試していきたい」と話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。