加太の青に魅せられて 陶芸家の和田山さん

器の仕上げをする和田山さん

移住を決めたのは空が青く、海が近かったこと、そしてその海がとても美しかったこと――。陶芸家の和田山真央(わだやま・まさひろ)さん(35)は昨年10月、生まれ育った大阪狭山市から和歌山県和歌山市加太に移り住んだ。海の青さに重なるかのような深いブルーの作品を数多く手掛け「時間がゆっくりと流れ、全てが自由になった」と笑顔で話している。

和田山さんは大阪の国際専門高等学校を卒業し、アメリカ・サウスダコタ州立大学に入学。陶芸学科でデッサンなど芸術の基礎や技術を2年半学び帰国した。 その後、2012年に大阪工芸展で大阪府知事賞、13年には第5回菊池ビエンナーレで奨励賞など受賞歴多数。16年には「LEXUS NEW TAKUMIPROJECT」の大阪代表に選ばれている。

独創的なフォルムと流れる釉薬(ゆうやく)が美しく、代表的な鮮やかな色は「真央ブルー」と呼ばれる。良質な瀬戸半磁器土を使い、釉薬はこれまでに5千回もの試作を重ねて表現。その色彩は料理をおいしく感じさせテーブルを華やかにする。

昨年、大阪狭山市の工房を引っ越すことになり物件を探したところ、いくつかの県が候補に上がったが、こだわったのは海。小学生の頃の文集には漁師になりたいと書いたほどで、海の近くに住みたいと思っていたそう。

窓から見える加太の美しい海に心を癒やされ、作品づくりに没頭する時間が穏やかに流れていくという。作品の青さを表現する最高の環境で日々新たな器を生み出している。その器は、どんな色の料理を盛り付けようかと、想像力をかき立ててくれる。

和田山さんは「これからも目の前に広がる景色、そして人との出会いから作品ができる時間を楽しみたい」と話している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。