地域で命守る 塩津区防災会に総理大臣賞

賞状を手に脇所会長㊥と役員

本年度の防災功労者内閣総理大臣表彰に、和歌山県内から海南市の塩津区防災会が選ばれた。同会は「自分たちでできることは全てやる」をモットーに、住民参加の避難訓練や避難経路の整備、井戸づくりなどに取り組んできた。脇所武夫会長(79)は「役員や住民と力を合わせて災害に強い町づくりに励んでいきたい。研修や反省会を通して年々活動は改善、充実してきた。今後も切らすことのないように発展させていきたい」と話している。

同会は下津町で最初の地区防災会として2003年12月に発足。自治会や漁業組合、水産加工組合、消防団などの団体で構成されており、役員と住民の約600人が活動。同地区は山の急斜面と海に挟まれ、大雨のときには倒木や土砂災害、地震の際には津波の被害を受ける恐れもある。

発足当初から神戸や京都での県外研修や講演会、防災訓練を毎年実施。訓練は毎年テーマを決めて取り組んでおり、2011年に紀伊半島大水害が発生した翌年には県や国土交通省、自衛隊なども参加しヘリコプターと連携した訓練を行い、昨年はボランティアを募集して炊き出しや住民への聞き取り調査などボランティアと連携した訓練も実施している。近年では大雨などの警報発表時には倒壊や浸水がないか地区内の巡回もしている。

草刈りなど地域の環境整備や活動をもともと住民が行っており、自分たちでできることをするという考えは自然なことだったという。手押しポンプの他にも、防火水槽を設置し、安全確認のため連絡先や家族構成をまとめた住民台帳を作成。研修で見聞きした先進的事例や、避難訓練後の反省会で出た意見などをもとに整備を進めてきた。山の急斜面と海に挟まれ、細く坂道の多い避難経路を逃げやすくするため、手すりや階段の設置にも取り組んだ。

今後は車いすも通れる避難経路づくりや、一人暮らしの高齢者も取りこぼさず避難できるネットワークづくりに取り組みたいとしている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。