埴輪に見る古墳の祭祀 風土記の丘で特別展

船の形をした埴輪も

和歌山県和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘で3日、秋季特別展「埴輪が語る古墳の祀(まつ)り」が始まった。12月6日まで。大和政権の大王墓と紀伊の首長たちの古墳に立てられた埴輪、土器の造形や配置から、紀伊の古墳祭祀をひも解く展覧会で、県内をはじめ全国の埴輪48件約800点を展示している。

3年に1度開く大規模な特別展。3世紀中ごろから7世紀の古墳時代には、前方後円墳に代表される古墳が数多く造られた。古墳は大王や首長たちの墓で、その大きさや形が権力や政治的な身分を表す一方、遺体の埋葬に伴い、さまざまな祀りが執り行われる舞台でもあったという。

古墳には器をささげ持つみこや武器をささげる武人、豪族に飾り立てた馬など、さまざまな埴輪が一定のルールのもとで並べられ、さまざまな情景を表現。祀りの内容は時代とともに姿を変えながら、それぞれの地域で独自の姿に変化していったと考えられるという。

今展では宝塚1号墳(三重県松阪市)出土の「船形埴輪(複製)」、県内最大級の前方後円墳の車駕之古址古墳(同市木ノ本、県指定文化財)から出土した「囲形埴輪」、「家形埴輪」(大日山35号墳、重要文化財)、「盾持人形埴輪」(大谷山22号墳)など、普段あまり目にすることができない貴重な埴輪が展示されている。

2日に同所で関係者向けの内覧会が開かれ、仁坂吉伸知事が「古墳や埴輪は見るだけでも歴史を感じ、ロマン。埴輪をたくさん見て楽しみたい」とあいさつ。テープカットで開会を祝った。

特別展関連シンポジウムは11月8日午前10時から、紀伊風土記の丘資料館で行われる。講師は笹生衛・国学院大教授ら5人。先着45人。参加希望者は23日午後1時以降、電話で同所へ申し込む。

特別展講座も同資料館で開催。第1回は11日に「九州における埴輪と石人石馬の配置―福岡県の事例を中心に」(講師は福岡県春日市教育委員会の井上義也さん)、「岩橋千塚周辺にみる埴輪祭祀とその意味」(講師は紀伊風土記の丘学芸員の金澤舞さん)、第2回は11月29日で「今城塚古墳にみる大王墓の埴輪祭祀」(講師は大阪府高槻市今城塚古代歴史館の今西康宏さん)、「儀礼の場の変遷からみる岩橋古墳群の特質」(講師は文化庁の藤井幸司さん)。定員30人。資料代と入館料が必要。両日とも午後1時半から。

学芸員による展示解説は17、24、11月22日午後1時半から。入館料が必要。

展示は午前9時~午後4時半(入館は4時)。シンポジウムの申し込みなどは同館(℡073・471・6123)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。