リハビリ専門職大学を認可 21年4月開学へ

設置認可書を手にする寺下理事長㊧、尾花市長

和歌山県和歌山市湊本町の旧市民図書館跡地への「和歌山リハビリテーション専門職大学」の設置が10月30日付で文部科学大臣から認可され、2021年4月の開学が決まった。設置者の学校法人響和会と市は11月4日、市役所で共同記者会見を開き、寺下俊雄理事長は「100歳まで生きる時代が訪れ、リハビリという学問の目的は健康寿命を拡張することにある。市のにぎわいを取り戻す一助にもなりたい」と語った。

当初は20年4月の開学を予定していたが、昨年は設置が認可されなかった。今回の認可により、準備期間を含め約3年間の取り組みが結実し、関係者は大きな喜びに包まれた。

県内は人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)が19年で32・0%に達し、近畿では最も高い。18年の統計では県内の高齢者約30万人、身体障害者約5万7000人に対し、リハビリテーションを担う理学療法士は1320人、作業療法士は394人で、いずれも不足。しかも、19年度までは作業療法士の養成機関が県内にはなかったこともあり、学生の他府県への流出が続いてきた。

同大の開学は、高齢化に伴う地域課題に対応する人材を地元で育て、若者の流出を阻止することが期待されている。

同大は、全ての人が「いつまでもうつくしく輝いて生きる(Live Longer Better)」ことを持続的に可能にする社会を目指し、プロフェッショナル人材を育成することを建学の理念に掲げる。

健康科学部リハビリテーション学科に理学療法学専攻40人、作業療法学専攻40人の学生を募集し、定員は4学年で320人。卒業に必要な単位のうち3分の1以上が実習・実技となり、理論に精通した研究者教員に加え、現場経験が豊富な実務家教員を数多く擁する。元県教育長の西下博通氏が学長を務める。

市は旧市民図書館を貸与し、改修など施設整備費の一部3億2000万円を補助する。同館は1981年7月に開館し、鉄骨鉄筋コンクリート造り、地上4階・地下1階建て、敷地約5200平方㍍、建築面積約1800平方㍍。改修工事は11月9日に市が行う住民説明会を経て着工する。

記者会見で尾花正啓市長は「地域にとって必要不可欠な人材を育成する大学の開設となり、ありがたい。和歌山市駅を中心とした若者のにぎわい、空き公共施設の活用にもつながる。大学が地域と共存し、発展することを期待している」と歓迎し、寺下理事長は「高齢化による体力の衰え、認知症に対しリハビリは有効であり、回復のお手伝いができる。最後まで一人の住民として元気にいられる社会を目指して、貢献していきたい」と話した。

入試は総合型(AO)、学校推薦、一般、社会人の区分があり、一部は出願期間が始まっている。日程など詳しくは同大ホームページ(http://www.kyowa.ac.jp/waredai.html)に掲載している。

また、同大の開学に伴い、響和会が運営する理学療法士育成の専門学校、和歌山国際厚生学院(同市北野)は募集を停止し、在校生が卒業する3年後をめどに閉鎖する。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。