能の松井、尺八の辻本さんに 大桑文化奨励賞

松井俊介さん(左)と辻本好美さん(写真は公益財団法人大桑教育文化振興財団提供)

文化・芸術分野で優れた活動に取り組む人に贈られる公益財団法人大桑教育文化振興財団(大桑弘嗣理事長)の2020年度大桑文化奨励賞に、和歌山県和歌山市の喜多流能楽師、松井俊介さん(43)、橋本市出身の尺八奏者、辻本好美さん(32)の2人が決まった。表彰式は17日、和歌山市内で行われる。

松井さんは、能楽師である松井彬さんの長男として生まれ、和歌山市で唯一の若手能楽師としてシテ方(主役)を務め、活躍している。

3歳で初舞台に立ち、その後、国立能楽養成会に入会し、喜多流シテ方職分の長田驍(おさだたけし)さんに師事。本格的にプロ活動を始めた。

活動は世界に広がっており、アルゼンチンやスコットランド、フィンランド、バルト3国などでも精力的に公演。能のワークショップ開催など、日本古来の伝統芸能である能の魅力や豊かな芸術性をより広く知ってもらう活動にも取り組んでいる。

1999年のNHK大河ドラマ『元禄繚乱』には能楽師役で出演。国内外で気鋭の能楽師として高く評価されている。

辻本さんは、尺八奏者の父の影響で、県立橋本高校入学と同時に尺八を始め、東京藝術大学音楽学部邦楽科を卒業。

在学時からメディアの注目を集め、確かな技術と親しみやすい性格で人気となり、純邦楽からポップスまで幅広く演奏する。テレビ出演も多く、映画やゲーム音楽など多方面で活躍している。

2014年度に故郷・橋本市の文化奨励賞を最年少で受賞。16年9月に史上初の女性ソロ尺八奏者としてメジャーデビューし、海外公演は24カ国34都市、50回を超える。昨年8月には、天皇皇后両陛下が出席する野口英世アフリカ賞の授賞式、晩餐会で演奏している。

現在、和歌山と東京を中心に活動を展開し、数少ない女性尺八奏者として、尺八の奥深い魅力と可能性を世界に発信し続けている。

 
無形文化財援助も 10園校に図書寄贈

文化奨励賞の他、文化活動援助に和歌山俳句作家協会(笠野千居会長)、箏・尺八デュオゆるりら(川端敏行代表)の2団体を選んだ。

同協会は、1954年から毎年、県俳句作家自選年間合同句集『紀伊山脈』を刊行し、ことしで第67集となった。刊行記念俳句大会も毎年開いている。

ゆるりらは、久保利文音さん、川端萠宇山さんによる邦楽ユニット。和楽器や伝統文化の普及に寄与し、「ゆるりらコンサート」を過去8回開いている。

また、無形民俗文化財保持団体援助に須賀神社秋祭文化財保存会(みなべ町)、ねんねこ祭保存会(串本町)の2団体を選んだ。

学校図書の寄贈は幼稚園から高校までの10園・校に行う。

同財団は㈱オークワの創業者・大桑勇が1993年に設立。毎年、大学生や高校スポーツ選手への奨学金給付、市町村対抗ジュニア駅伝競走大会援助、学校図書の寄贈など、文化やスポーツ、教育に関わる活動に援助を続けている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。