バス高速輸送で共同研究 和歌山市と南海

共同記者会見で肘タッチをする遠北社長㊧と尾花市長

和歌山市と南海電鉄は11月30日、市の新しい公共交通として「BRT(バス・ラピッド・トランジット=バス高速輸送システム)」の共同研究を開始すると発表した。2020年度中に、車体2台をつなげた連節バスの試走を市内で行い、道路改良の必要性や既存交通への影響などを検討し、22年をめどに導入の可否など一定の結論を出すとしている。

同日、尾花正啓市長と遠北光彦社長が市役所で共同記者会見を開いた。

BRTは、連節バスやPTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バス優先レーンなどを組み合わせることで、運行の定時性やスピードを確保し、輸送能力のアップが可能となるバスシステムのこと。新潟市や岐阜市などで導入されている。

南海電鉄はことし2月、県が同市毛見の和歌山マリーナシティに誘致を進めているIR(カジノを含む統合型リゾート)が実現した場合に、利用者や従業員の交通輸送の課題を解決するのにBRTが有効であると市に提案。これを受け、共同研究の開始が決まった。

市は、共同研究により期待される効果として、基幹的な交通軸の構築や活性化、運行の効率化などが図られることにより、持続可能な公共交通ネットワークが構築され、利便性が向上すること、観光振興、まちなかの回遊性の向上などを挙げている。

連節バスの試走は、JR和歌山駅、南海和歌山市駅、和歌山マリーナシティを結ぶルートでの実施を検討し、南海電鉄グループの南海バスが関西国際空港内で運行している連節バス(定員100人)を使用。交差点などの道路改良の必要性をはじめ、事業化のために課題となる点を整理する。

IRについて、国は区域整備計画の申請期間を22年4月までとする基本方針案を示し、その後、IR設置箇所が決定するため、市はBRTの共同研究の結論も22年中には出したいとしている。

記者会見で尾花市長は「BRTは地域の足として、また観光の足としても非常にメリットが大きい。南海電鉄さんの提案は非常にありがたい。今後、検討を深めていきたい」と期待感を示した。

遠北社長は、IRが実現した場合、来訪者や通勤の従業員が公共交通を新たに利用することから、「新たな需要を地域の基幹交通としてうまく利用できれば、地域の交通ネットワークの維持、拡大もあると思っている。共同研究が、公共交通の在り方を官民一体、地域一体となって考えるモデルケースとして、将来に評価されるようにしたい」と話した。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。