フェリーあい1周年 運賃半額キャンペ延長 

和歌山港に向かうフェリーあい

南海フェリー㈱が和歌山市―徳島市間で運航する「フェリーあい」が15日、就航1周年を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大に収束の見通しが立たず苦境が続く中、同社は乗船に対する不安感を少しでも払拭(ふっしょく)しようと、感染防止対策を徹底。お得なキャンペーンの期間を延長するなどして、利用促進を図っている。

「車で和歌山から徳島に行こうと思うと時間がかかりなかなか大変。フェリーの方が楽ですね」。13日、和歌山港を午前10時35分に出港するフェリーあいに乗り込んだ和歌山市の男性(46)は笑顔で話した。この便には約50人が乗船。日曜日ということもあり、家族連れの姿が目立ち、手に土産袋を抱えた人も見られた。男性は月に2回ほど利用しているといい、この日は7歳の息子と2人で徳島へ。息子は船内で流れるテーマ曲「海のむこうに」が大好きだという。

フェリーあいは昨年12月15日に就航。同航路では「あい」と1999年就航の「かつらぎ」がそれぞれ一日4往復している。フェリーあいは船の側面や船内各所に青色のハートマークが描かれており、利用客がマークと一緒に写真を撮る姿も見られる。

13日は就航1周年を記念した特別企画として、和歌山港午前10時35分発、徳島港午後1時25分発の便の利用客に乗船口でタオルハンカチがプレゼントされた他、船内では同社オリジナルキャラクターの「高野きらら」「阿波野まい」に扮(ふん)したスタッフがフェリーあいのグッズを販売。乗客と一緒に笑顔で記念撮影する姿が見られた。

同社営業部によると、数年前から増加傾向にあったインバウンド(訪日外国人観光客)の利用が、新型コロナの感染拡大で見込めなくなった他、自動車で利用する場合も1台当たりの乗車人数が少ない傾向にあるという。ことしは緊急事態宣言発令の影響もあり4、5月はトラックによる利用以外が前年の同時期に比べ約8~9割減少したといい、夏には新型コロナの第2波が到来。例年は阿波踊り目当ての観光客や帰省客の利用が多いお盆も、利用が大きく落ち込んだという。

フェリーは密にならず、ゆったりとした空間で旅ができるのも魅力の一つ。マイカーやバイクを乗せて、移動の疲れもなく現地で観光を楽しむことができる。

同社は利用を促進しようと、車で同航路を利用し和歌山か徳島に宿泊した場合は車両と同乗者の運賃が最大半額になるキャンペーンを10月から開始。10、11月は利用状況に回復の動きが見られ、特に11月21~23日の3連休は車両スペースの8~9割が埋まる日もあったという。

新型コロナは現在第3波の真っただ中にある。阪田茂社長は「来年の春ごろまではなかなか(消費の)マインドは戻らないのでは」と見る。

一方で、明るい兆しも。最近は自転車旅が人気で、ロードバイクの持ち込みが増えているという。運賃最大半額のキャンペーンは12月末で終了の予定だったが、対象に2輪車を加え3月7日までの延長を決めた。阪田社長は「あいは前の船より客室スペースが3割以上増えていて、通路も広い。(コロナを気にせず)ゆったりとご利用いただけると思う。船内を抗菌するなど感染予防に取り組んでおり、安心して乗船いただけたら」と話している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。