就職の選択肢広げる 児童養護支援協が新事業

MKB(まきば)プロジェクトをPRする花尻さん

和歌山県の岩出市宮の児童養護施設支援協会は5日、子どもの日に合わせて、大企業の障害者雇用枠を含む、働き手を求める企業と児童養護施設の子どもをマッチングする事業「MKB(まきば)プロジェクト」をスタートさせた。「ま(学んで)き(希望する)ば(場所)へ」の頭文字を採った同プロジェクトは、「牧場の牛のようにゆっくりしっかりと社会に適合するための知識を学び、希望する職場に就職すること」を目指した、県内初の試みとなる。

同協会は、高齢者や児童支援を行う㈱ライフィットの尾上伊織代表が理事長となり、昨年7月に設立。児童養護施設の子どもたちが社会に出るまでの準備や、自立した生活を送るための支援に力を入れる。同社は約10年前から、県内の児童養護施設の子どもたちにITリテラシーや一般教養、正しいスマートフォンの使い方などの講習会を通してサポートを行っている。

その中で、子どもたちが児童養護施設で生活できるのは原則18歳までという現状を踏まえ、退所後のサポートにも力を入れている。約5年前からは、同社でも雇用機会を提供するとともに、施設の子どもたちが退所後に暮らせる自立援助ホームの「ゆるりのまきば」も立ち上げた。

同協会の花尻智美さん(26)は、「子どもたちが就職先を選ぶ際、施設を退所しなければならないという現状から、受け入れ実績や寮のあるところを選ぶ傾向が強い」といい、「同事業によってさらに子どもたちの選択肢の幅が広がれば」と願う。

関西圏の障害者雇用枠のある企業などを対象に、受け入れ先を募っている。県内でも外国人雇用が増えており、花尻さんは「県内の子どもたちに雇用機会を与えることで、県の経済にもプラスになるのでは」と期待。

「施設の子どもを受け入れることに不安のある企業もあるかもしれませんが、自立支援ホームなど協会が仲介し、子どもたちの心のケアや生活面でのサポートをしていくので、ぜひ子どもたちにスポットを当てて、一人ひとりが持つ能力を引き出してもらえれば」と笑顔で呼び掛けている。

問い合わせは同協会(℡0736・67・8444)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。