桐蔭高校が準優勝 缶サット甲子園全国大会

桐蔭高校科学部の缶サット班の生徒と藤木教諭(前列右)

高校生が空き缶で自作した模擬人工衛星(缶サット)を打ち上げて技術力を競う「缶サット甲子園全国大会」がこのほどオンラインで開かれ、全国から出場した10校の中から、和歌山県立桐蔭高校(和歌山市吹上)科学部の缶サット班が準優勝に輝いた。

缶サットには、チームごとに考えたミッションに基づき、センサーやカメラを搭載。モデルロケットで打ち上げてターゲットの撮影やデータ収集を行うとともに、データを基にミッションについてのプレゼンテーションをし、技術力や想像力を競う。

同校は2010年、18年に全国大会で優勝している実力校。今回、桐蔭が掲げたミッションは「生物が生息できる惑星を見つける」。10月に同市のコスモパーク加太で開かれた和歌山地方大会では、大会初の試みとして生命体(ダンゴムシ)を缶サット内に搭乗させ、生命維持の基本となる温度や気圧、照度、ガスなどをセンサーで測定、分析するというミッションにチャレンジし見事、準優勝を勝ち取った。

コロナ禍で臨んだ全国大会はオンラインで開催されたため、例年とは異なり、缶サットを郵送しなければならず、「かなり難しかった」と班長の赤澤元春君(17)は振り返る。郵送した缶サットは、大会事務局が代理で打ち上げ生中継。また、事前収録した缶サットのプレゼンテーション、打ち上げ実験の結果を踏まえたリモートでの発表内容が審査された。

地方大会で「斬新」「面白い」と高く評価された生命体を搭乗させる試みや、無線の使用もオンラインのためできず、缶サットの電源を入れる際、ひもを外から引っ張れるように改良するなど、工夫を凝らしたという。

オンラインという制約がある中、同班のプレゼンター、飛田喜紀君(17)は「臨機応変に対応でき、ミッション成功率が安定していたことが準優勝につながったと思う」と話す一方で、「ミッションの意義や説明をもっとしっかり伝えられていれば」と課題を挙げた。

同班の思いを受け継ぐ後輩らは、ことし7月に初めて串本町で開かれる地方大会への出場が決まっている。同班のプログラマー、山﨑大輝君(17)は「しっかりしたものを作る技術を引き継いでもらいたい」と話し、飛田君は「後輩には全国大会で優勝し、世界大会にも出場してほしい」と大きな期待を寄せていた。

久しぶりに集まったという生徒らを見守っていた同部顧問の藤木郁久教諭は「大会の開催はもちろん、普段の活動ができるよう、早くコロナが収束してほしい」と話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。