端末で居場所把握 和歌山市が子供見守り事業

見守り端末をランドセルに付ける平井さん親子

和歌山市は1日、まちづくりに先端技術を活用する「スマートシティ」実現に向けた新たな取り組みとして、「Iot・ICTを活用した子供の見守り事業」を開始した。市内に基地局を設け、端末を持つ小学生の位置情報が分かるもので、和歌山電力㈱(同市板屋町、山口高史代表取締役)が市からの委託を受けて行う。小学校区単位で対象地域を広げ、2~3年で市内全ての校区で利用可能となる予定。

同サービスは、同市立の全小学生1万6784人を対象に、希望者に無料で見守り端末(位置情報を発信する笛型の発信機)を配布。

同端末をランドセルに付けるなどして保有した小学生が、校区内の通学路を中心に店舗や事業所などに設置された「見守り基地局」と呼ばれるルーター(固定スポット)付近を通過したり、スマートフォンに専用アプリ「見守り人」をインストールした市民(移動スポット)とすれ違ったりすることで、位置情報が記録される。緊急時には、学校や教育委員会などの関係機関をはじめ、警察などに位置情報を提供することで、子どもにとってより安全で安心な環境づくりにつなげるという。

同市の中心部にあり、3校の合併によって校区が広範囲にわたる伏虎義務教育学校(同市鷺ノ森南ノ丁)が同サービスの第1校区目に選ばれ、同日、実際に同端末をランドセルに付けた児童が登校した。

同校の育友会会長の平井俊喜さん(45)は、同校に通う4年生の息子、遼君(10)のランドセルに端末を付けながら、「車通りや大型施設が多く、人の出入りも多い地域なので、今回の取り組みで子どもの登下校が今まで以上に安全安心になるのはありがたい」と話した。

約2週間前に端末の使用希望を問うプリントが保護者に配布され、現在、同校の全小学生(前期生)529人中、希望者は64人。今後、希望者の増加が見込まれるといい、同校の十河秀彰校長は「子どもの安全安心は学校の最重要課題であり、地域の見守り隊にプラスし、校区だけでなく習い事などにも活用できる事業の広がりに期待したい」と話した。

この日、同校で開かれた説明会に参加した、同市教育委員会の東康修学校教育部長は「和歌山市では毎年、不審者情報が100件を超えている」と説明し、「共働きで不安な親御さんもいるので、市内全域にできるだけ早く広めていきたい」と意気込んだ。

事業を受託する同社の鳴海禎造取締役、辻健太郎執行役員兼法人事業部長も参加。辻部長は「市内全51校に40個ずつ、最終的に2000以上の基地局の設置が目標」と話し、技術協力元の㈱otta(福岡県福岡市、山本文和社長)との契約で、保護者が子どもの位置情報をスマートフォンでリアルタイムに確認できる有料プランについても説明した。

地域貢献を掲げ、全ての費用を出資する同事業について、鳴海取締役は「地元に密着した『和歌山電力』という会社を広く知ってもらえるいい機会になれば」と笑顔で話し、「将来的には子どもだけでなく高齢者の見守り事業につなげていく」という市のスマートシティ構想実現に向けての大きな一歩を共に踏み出した。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。