限定御朱印のアジサイ人気 釜滝薬師金剛寺

押し花の御朱印を手に伊南慈久住職

約1200年の歴史があり、古くから眼病平癒を祈願する「目の薬師さん」として信仰を集めている和歌山県紀美野町釜滝の釜滝薬師金剛寺(伊南慈久住職)の境内でアジサイの花が見頃を迎えており、その花を押し花にした御朱印が人気を集めている。

同寺は天長12年(835)、比叡山延暦寺第3代座主を務めた名僧・慈覚大師(円仁)が、高野山への使いの道中、県指定天然記念物となっている「釜滝の甌穴(おうけつ)」(川の流れが渦巻状になることで、石や砂で侵食されてできた円形のくぼみ)を目にし、その神秘的な光景に心を打たれ、薬師如来像を彫ったのが始まりとされる。

その後、周辺地域で目が赤くなる病が流行し、同寺の薬師如来像を拝むと目の病気が治るとの話が広まり、「目の薬師さん」と呼ばれるようになったという。

現在は、眼病だけでなく運勢の〝め〟から草木の〝芽〟に至るまで〝め〟に関わるさまざまなことを祈願する人が訪れている。

同寺でアジサイを育て始めたのは10年ほど前。境内にはかつて、樹齢100年と60年になる大きな桜の木があったが、育った根が鐘つき堂の地面を持ち上げ始め、石垣などに影響が出てきたため、やむなく伐採することになった。「境内に花がなくなるのは寂しい」との思いから桜に代わる花として、長持ちするアジサイを植えた。

現在は「本アジサイ」をはじめ「恋路ヶ浜」「初恋」など100種類にも及ぶアジサイが400~500鉢ほど並んでいる。2018年には、同寺と隣接する和紙工房「あせりな」と「一緒に何か始めたい」と、協力して境内のアジサイを押し花にした限定御朱印を始めた。

同寺の限定御朱印は、6月のアジサイの他、1、4、8月の寺の行事、モミジの11月にも提供している。あせりなは、同寺のアジサイを原料に混ぜた和紙を製作。これまでも、柿を原料に混ぜた和紙や、サクラ、ミモザなどの押し花を使ってきた。

同寺の御朱印帳は文庫本サイズ(16㌢×11㌢)で、くり、しゅろ、びわなど6種類から選ぶことができる。

通常の御朱印も、毎月変わる手作りのスタンプを押してくれるもので好評となっている。

押し花を作成している伊南住職の妻・紀世子さんは「押し花はアジサイの種類によるので、同じものはありません。来ていただける人の癒やしになれば」と笑顔で話している。

同寺では宿泊や写経の体験もできる。問い合わせは同寺(℡073・489・2830)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。