JICA隊員が見たネパール 50周年写真展

35年以上前の写真と談儀会長

国際協力機構(JICA)がネパールに海外協力隊を派遣し始めてから昨年で50周年を迎えたことを記念し、近鉄百貨店和歌山店(和歌山市友田町)3階イベントスペースで15日まで、「ネパール派遣50周年記念写真パネル展」が開かれている。10月1日から15日までは紀の川市打田生涯学習センター、同29日から11月7日までは田辺市文化交流センター「たなべる」でも開かれる。

1970年に初めてネパールに海外協力隊が派遣されて以来、50年間で約1400人の隊員らがさまざまな職種で活動してきた。同展では、県にゆかりのある隊員OB9人が協力し、集まった68枚の写真を展示。活動の写真だけでなく、ネパールの伝統的な祭りや祭礼、暮らし、雄大な自然をテーマしたコーナーもあり、現地で地域に密着した活動をしてきた隊員ならではの写真がずらりと並ぶ。

共催する和歌山青年海外協力協会の談儀善弘会長(62)は83年から87年まで、理数科教師としてネパールに滞在。海外はもちろん、飛行機も初めてだった当時の談儀会長にとって、見るもの全てが珍しく映った同国で過ごした3年7カ月は「ずっといてもいいかと思うぐらい楽しかった」と振り返り、自身にとって「ネパールは第2の故郷」と語る。

言葉はもちろん、文化や宗教も異なる国に住むことで、「改めて同じ人間であることに気付き、異文化を理解することの大切さを知ると、自分が外国人で、外国で活動していることを忘れていった」と話し、この経験が帰国後、日本での教員人生にも大きな影響を与えたという。

帰国してから昨年まで田辺市の定時制や通信制の高校で教員をしていた談儀さんは、勤労学生や不登校の生徒らが「どんな気持ちで勉強しているのか」「彼らにはどんな世界が見えているのか」など、ネパールで学んだ「異文化を理解する」ことを大切にしてきたとし、「隊員での経験がずっと生かされた」と笑顔。現在も不登校の生徒の学習支援を行っており、「若い人には縁に従ってどんどんいろんな発見をしてもらいたい」と願う。

写真展では、50年前の初派遣当時はインフラの根幹を支援する職種のみだったのに対し、時代とともに職種や支援の内容も移り変わっていった様子を見ることもできる。

談儀会長は「現在のネパールは、環境問題など、自分たちも一緒に考えなければならない課題になっていることが分かる」と話し、JICAの国際協力推進員(県担当)の原奈央さんは「年代を追って写真を見られる機会はなかなかないので、歴史を感じてもらえれば」と来場を呼び掛けている。

入場無料。近鉄百貨店の開店は午前10時~午後6時半。問い合わせは同店(℡073・433・1122)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。