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和歌山ニュース 旬の柿を味わって 若手農家の小倉・城本さん

旬の柿を味わって 若手農家の小倉・城本さん

公開日 2021.09.28

柿がおいしいシーズンを迎えた。和歌山県紀の川市の小倉優一郎さん(36)と城本海人さん(18)は、刀根早生(とねわせ)と紀の川柿を生産する若手農家。日本一の柿の生産量を誇る和歌山で「自然と共に仕事ができて楽しい」と笑顔で収穫に励む。

刀根早生は渋柿で9月中旬から10月上旬が収穫時期。黄橙の果皮色が特徴で果汁が豊富で食味も優れる。

紀の川柿は刀根早生に袋をかけて渋みを抜いた甘い柿。10月初旬から中旬ごろが収穫時期。柔らかくて食べやすく、黒く小さな斑点があるのが特徴。

2人は繁忙期になると午前5時ごろから収穫を行い、一日中作業をすることもあるという。

小倉さんは紀の川市出身。北海道大学大学院とワシントン大学で保全遺伝学を学んだ後、生物の高校教諭になった。30歳で「農業と教育をかけ合わせた仕組みをつくりたい」と観音山フルーツガーデン(同市粉河)に転職。農業について学んだ後に祖父の畑を継いだ。現在は農作業とともに同市粉河で学習スペースも開き、子どもたちの学習支援を行う。

城本さんも同市出身。2年前に県立伊都中央高校(かつらぎ町)の職業体験で小倉さんと出会った。農業の楽しさと奥深さに引かれて以来、小倉さんと共に農作業を行う。「小倉さんのように挑戦する人になりたい」と話す。「城本さんが来てくれたことで作業の効率が良くなりました」と小倉さんは笑顔。

畑では除草剤は使用せず酵母菌が寄るように工夫を凝らす。柿の葉は取らずに光合成をさせて自然に赤みをつけるのがこだわりだ。2人は柿の生産について「『おいしい』の笑顔のためにやってます」とにっこり。柿は日がたつと糖度が上がるので、長くおいしく食べられるのがいいです」「若い人や同世代の人々に食べてほしい。柿のおいしさを感じてもらえるように頑張りたい」と話している。