和歌山市北部で断水 六十谷管橋の一部崩落

水道管が折れ、紀の川に崩落した六十谷水管橋(3日午後5時42分)

3日午後4時前、和歌山市の紀の川に架かる六十谷水管橋の一部が落下し、市北部全域の約6万世帯(約13万8000人)への水道の送水が止まり、8時ごろから順次断水となった。商店の臨時休業、休校など市民生活や経済活動に影響は拡大しており、4日午前7時からは北部の市立小学校22カ所で応急給水が始まったが、復旧の見通しは立っていない。

紀の川の南側の加納浄水場(松島)で3日午後3時45分ごろ、送水量や水圧が低下する異常を検知し、4時10分ごろに六十谷水管橋の中央付近が約60㍍にわたり崩落しているのを市企業局職員が確認した。

同橋は全長546㍍で、直径90㌢の水道管が2本設置されており、市北部への送水ルートは同橋のみ。1975年3月に完成し、46年が経過しているが、大地震などの災害に備えるため、2016年3月に金具やワイヤーなどで強度を高める落橋防止工事を終えており、「落ちるのはまず考えられないこと」と尾花正啓市長も驚きを隠さなかった。ことし9月の目視点検でも異常はなかったという。

市は、3日午後7時半から企業局が記者会見で崩落の概要を説明し、8時すぎには対策本部の第1回会議を開催。4日午前10時には市役所で尾花市長が臨時記者会見を開き、「市民の皆さんに大変なご迷惑をお掛けし、心からおわび申し上げる。一日も早い復旧を目指す」と陳謝した。

応急復旧は、水管橋に近い六十谷橋に水道管を設置して約600㍍を迂回(うかい)する方法と、崩落した水管橋を応急的につなぐ方法の2通りを検討中。

水道管の材質は鋼、鋳鉄、ポリエチレンがあり、最も早く調達できたもので復旧を進める。尾花市長は、現場への材料の搬入から3日間程度での応急復旧を目指す考えを示したが、4日午前の段階では調達のめどは立っていない。

企業局によると、六十谷橋に迂回の水道管を設置する場合、同橋は全面通行止めとなる可能性があり、橋を管理する県と協議を進める。

給水は、県内や大阪府内の市町村に加え、県を通じて自衛隊に協力を要請。人工透析を行っている5医療機関などに優先的に配車した他、市立小学校22カ所で給水作業を行い、4日朝の時点で43台が活動に当たった。同日中に約100台まで体制を強化するとしている。

要援護登録をしている高齢者など、給水に出掛けるのが困難な市民には、市職員が給水袋などに水を入れて各家庭に届ける。

尾花市長は、応急復旧を最優先しつつ、落橋の原因究明を急ぐ考え。さらに今後は、市北部への送水ルートを複数にすることも含め、検討する必要があるとの認識を示した。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。