6日ぶりに断水解消 応急復旧工事が完了

仮設水道管に漏水などの異常がないか点検する市職員ら

六十谷水管橋の崩落に伴う和歌山市紀の川北部地域の断水は、8日午後10時38分に仮設水道管による送水が開始され、9日午前8時30分ごろから順次、6日ぶりに各世帯への給水が再開された。市内でかつてない約6万世帯、13万8000人に及ぶ大規模なライフラインの危機は収束に向かうが、濁り水の発生などにより9日午後2時現在、飲用の安全確認には至っておらず、市立小中学校などでの応急給水も続いている。

水管橋崩落という事態の重大さに対し、発生から5日間で同橋東の六十谷橋に仮設水道管を設置する応急復旧工事まで完了したスピードを評価する声がある一方、工事終盤で市が発表した情報の変更が混乱を招いた面もあった。

8日午前10時30分すぎ、六十谷橋の応急復旧工事現場で市企業局の担当者は、工事の進行が予定より早いと説明。午後5時には瀬崎典男公営企業管理者らが市役所で記者会見し、当初は深夜としていた工事完了は8時ごろを見込み、市民への給水再開は9日午前6時になるとの予定を公表した。

しかし、8日午後8時前、市は報道各社に、工事完了が9時30分にずれ込むと連絡。9時ごろにはさらに遅れる見通しが伝えられた。10時前、瀬崎氏らが工事現場前で、工事終了は10時30分ごろになると予定の変更を発表し、「大変申し訳ない。ご迷惑をお掛けします」と市民に陳謝した。

市によると、工事の最終段階で紀の川北岸ののり面に仮設水道管を設置する際、管を切るための微妙な寸法の調整に想定以上の時間を要し、遅れたという。

工事は10時30分ごろに完了し、企業局職員が水管橋南岸付近の地下にある仕切り弁を開き、10時38分に北側への送水が開始された。

職員らは通水した仮設水道管に漏れなどの異常がないか、継ぎ目を一つひとつ点検。24時間態勢で3日間にわたる工事を終えた市管工事業協同組合の作業員らは安堵(あんど)の表情を浮かべた。

日付が変わる9日午前0時ごろ、市民への給水再開は2時間半遅れて8時30分になることが発表された。

給水は順調に回復しているが、午前の段階では濁り水が発生している地域も多く、市は節水への協力と、安全確認の発表があるまで飲用にはしないことなどを呼び掛けている。

応急復旧により、今後の焦点は水管橋崩落の原因究明や本格復旧に移る。

本格復旧は、崩落した水管橋を修繕することを中心に検討しているが、水管橋の「つり材」には激しい腐食による破断が確認されており、復旧方法の決定には原因究明が欠かせず、時期の見通しは立っていない。

断水中の水道料金の減免など、補償も今後の重要な課題となる。市は、原因究明の上で検討するとしている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。