地元にある魅力を 県産食材で発信の石井さん

地元産の野菜を手にする石井さん

地域課題の解決を目的として新たに起業する人を対象とした「2020年度わかやま地域課題解決型起業支援補助金」を活用し昨年8月、和歌山市岩橋に「ozzkitchen」(オズズキッチン)を開店した石井佳奈さん(30)。地元産の米や野菜を使った弁当やケータリング事業などを行う同店のオープンから1年、石井さんは「生産者とのつながりがより強くなった。次は“今ここにある”食材の魅力を発信したい」と新たな目標に取り組んでいる。

石井さんは滋賀県信楽町出身。管理栄養士とジュニア野菜ソムリエの資格を持ち、もっと生産者に近い場所で料理がしたいと、勤めていた大阪のケータリング会社を退職。2018年に、四季を通じてさまざまな野菜や果物が手に入る和歌山へ移住した。石井さんは「和歌山の人は、何もないと言うけれど、私にとっては魅力がたくさん」と話し、和歌山の食材を活用し、その魅力を知ってもらおうと同店を開いた。今では、地元農家から野菜を直接買い付ける他「お客さんに伝えられるよう、もっと知っておきたい」と自身で野菜を収穫したり、菓子作りで使用する米粉用の稲を植えたりするなど精力的に取り組んでいる。

石井さんが作る「わっぱ弁当」(1000円)は、旬を感じられるよう、メニューは週代わり。地元のオーガニック野菜を中心に、肉は石井さんいわく「和歌山の草や木の実を食べた」という正真正銘の県産ジビエ、米は地元で自然栽培されたものを使用するなど和歌山の魅力が詰まっている。傷がある、形が悪いなど、商品にならない果物はジャムなどの加工品に、手が回らず農家の人が収穫できずにいた野菜は自分たちで採りに行き、ロスなく、おいしく活用する。SNSで弁当やお品書きを公開することで、地元食材の魅力も発信。「自分たちが作った野菜がすてきな料理になった」と農家の人からも喜びの声が届くという。

石井さんの次の目標は、店舗の隣に地元の野菜や加工品、弁当などを取り扱う「フードセンターイワセ」を開くこと。石井さんは、「地域のことを知れるし気持ちもほっこりできる、そんな地域の憩いの場をつくりたい」と、おしゃれなファーマーズマーケットではなく、誰でも気軽に来られる「昔のスーパーマーケット」を目指す。同補助金を受けた人が利用できる「県ふるさと納税型CF(クラウドファンディング)」を活用し、夫・聡さん(30)と開店に向け準備中。目標額は200万円。

石井さんは「地元産にこだわった商品をお客さんの顔を見ながら『和歌山にはこんなおいしいものがあるよ』と魅力を発信できる店にしたい」と力を込める。

石井さんのふるさと納税型CFはモーションギャラリー内「オズズキッチン」(https://motion-gallery.net/projects/ozzkitchen)で受け付けている。11月12日まで。

問い合わせは石井さん(℡090・7886・4150)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。