「生きる」小野田少尉描く 海南で新作演劇

笑顔で挑む出演者ら

和歌山県海南市出身の小野田寛郎少尉にちなんだ新作舞台「負け。―生きる―」が12月4日、5日の2日間、海南市且来の劇場すわん江戸村で上演される。和歌山の文化シーンを演劇の力で盛り上げようと活動している、演劇街道きのくにプロジェクト(金澤寿美代表)が主催。

ことし小野田少尉のフィリピン・ルバング島での日々を中心に描いた映画『ONODA一万夜を越えて』が公開されたのを機に、演劇でも取り上げられないかと企画。岩出市出身の劇作家・金澤代表が脚本を手掛け、市川昇次郎さんを中心とする同劇場の全面協力のもと、舞台化にこぎ着けた。同プロジェクトは2018年創立。今作は和歌山市出身で奇術に没頭した金澤代表の祖父・金沢天耕の半生を描いた「酔筆奇術偏狂記」、和歌浦湾に伝わる乙姫伝説を題材にした「千年前から、君を探していた」に続く3作目となる。

物語の舞台は1974年の和歌山。戦後30年たったある日、元兵士・高月正のもとに、ルバング島にいる小野田少尉を探すための寄付を求める依頼があり、完治したはずの傷が再び痛み始めるというストーリー。映画とは別の角度で、実話を参考にしたフィクションで描く。同劇場を拠点とする、「劇団紀州」と同プロジェクトの役者が出演する。

このほど、小野田さんゆかりの地・海南市小野田の宇賀部神社で記者会見が開かれ、金澤代表や市川さん、出演者らが作品への思いを語った。

金澤代表は「映画との相乗効果でまちを盛り上げられれば」と話し、市川さんは「どの方向から捉え、演出すればいいか議論した。見れば、このタイトルに納得できると思う」と力を込めた。

小野田少尉の役を演じる同劇団の市川福介さんは「光栄であると同時に覚悟のいること。芝居を通じてサブタイトルの『生きる』を伝えられたら」と意気込む。

両日ともに、午後1時と6時の2回公演。チケット前売り一般2500円(当日は500円アップ)、学生は1500円。劇場すわん江戸村やJR海南駅構内の同市物産観光センター、黒江ぬりもの館などで取り扱っている。

問い合わせは同プロジェクト(℡090・6065・0470)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。